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WBA世界バンタム級をめぐって、大きな動きがありました。

堤聖也選手が休養王者となり、アントニオ・バルガス選手が正規王者に。そして、そのバルガス選手はジェシー“バム”ロドリゲス選手との防衛戦を控えています。

さらに報道では、バム選手が勝利した先に、井上尚弥選手との対戦構想も浮上しているとされています。

単純に「バムが勝てば井上尚弥戦へ進む」という話ではありません。

バム選手はまずバルガス選手に勝たなければいけませんし、その先には休養王者である堤聖也選手との王座統一戦の問題もあります。

今回は、WBAバンタム級の動き、堤聖也選手の立場、バルガス対バム戦、そして井上尚弥対バム戦の実現可能性について、トレーナー目線で話していきます。

堤聖也の休養王者化で変わった構図

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もともと、バルガス選手とバム選手の試合自体は決まっていました。

当初は、暫定王者であるアントニオ・バルガス選手に、バム選手が挑戦するという形です。

しかし今回、正規王者だった堤聖也選手が休養王者となり、バルガス選手が正規王者に昇格しました。

つまり、堤選手が怪我で防衛戦を行えないため、バルガス選手が正規王者となり、そこにバム選手が挑む形へ変わったということです。

堤選手は鼻の怪我により、予定されていた防衛戦を行えない状況でした。春ごろに試合が組まれる予定だったものの、怪我の回復状況もあり流れた経緯があります。

その結果として、今回の休養王者という扱いになったのでしょう。

ただ、この判断には少し分かりにくさもあります。

本来、正規王者が防衛戦を行えないのであれば、正規王者をそのままにして暫定王者を置く形でもよかったはずです。実際、バルガス選手はすでに暫定王者でした。

それなら、堤選手を休養王者にする必要が本当にあったのか。

そこには疑問が残ります。

休養王者と暫定王者の違いは、ファンにとっても分かりづらい部分です。今回の流れは、単なる王座整理というより、その先のマッチメイクまで含めた動きに見えます。

バムを“正規王者”として井上尚弥戦へ進めたいのか

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今回の動きで見えてくるのは、バム選手を「WBA正規王者」として次のステージへ進めたいという意図です。

暫定王者よりも、正規王者の方が肩書きとしては強い。

バム選手は世界的にも注目度の高い人気選手です。そのバム選手がバルガス選手に勝った時、「暫定王者」ではなく「WBA正規王者」として井上尚弥選手へ向かう形を作りたい。

そう考えると、今回の王座の動きも理解しやすくなります。

もちろん、これは一つの見方です。

ただ、井上尚弥戦がその先にあると考えれば、バム選手に「正規王者」という肩書きを持たせたい意図は感じられます。

正規王者であれば、他団体との統一戦や大きなカードにもつなげやすい。そういうマッチメイク上の都合もあるのではないでしょうか。

バムの階級アップは簡単ではない

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バム選手は、スーパーフライ級からバンタム級へ階級を上げ、いきなり王者と戦います。

階級を上げてすぐに世界戦へ進むこと自体は、ボクシングでは珍しいことではありません。

井上尚弥選手も、ライトフライ級からスーパーフライ級へ一気に2階級上げて世界挑戦しています。パッキャオ選手も、階級を大きく上げながら結果を残してきました。

だから、1階級上げて即挑戦という流れ自体は、特別おかしなものではありません。

ただし、それが簡単かどうかは別です。

バム選手はスーパーフライ級では非常に強さを見せてきました。フェルナンド・マルチネス戦でも、フィジカルの強さや攻撃力は際立っていました。

しかし、階級が上がれば相手の体の強さも変わります。

パンチの重さ、耐久力、リング上で感じる圧力。3キロ違うだけでも、試合の質は大きく変わります。

バム選手がバンタム級でどれだけ強さを出せるのか。

まずはそこが、井上尚弥戦を語る前の大きな判断材料になります。

バルガスは通過点ではない

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バルガス選手は、バム選手に対して「倒すつもりでリングに上がる」という強い発言をしていると伝えられています。

リングに上がる以上、勝つつもりで戦うのは当然です。

負けるつもりで試合をする選手はいません。

ただ、バルガス選手の立場を考えれば、今回の状況はかなり燃えるはずです。

バム選手の先には、すでに井上尚弥戦の話が出ている。つまり、バルガス選手からすれば、自分が通過点のように扱われているわけです。

これは選手として悔しいでしょう。

「まず俺だろ」と思うのは自然です。

バルガス選手は、バムに勝てば井上尚弥戦への流れを止められるという趣旨の発言もしています。

ただ、そこまで言うなら「俺がバムに勝って、俺が井上尚弥に挑戦する」くらいまで言ってほしかった、というのが本音です。

それくらいの意地を見せてもいい状況です。

バム優位でも、足元をすくわれる可能性はある

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試合予想としては、バム選手がかなり有利です。

実力、完成度、スピード、攻撃力。総合的に見ても、バム選手が上回っている可能性は高いでしょう。

ただ、ボクシングでは番狂わせが起きます。

特に、次のビッグマッチを見据えすぎている時ほど危険です。目の前の相手への集中が少しでも落ちれば、足元をすくわれる可能性があります。

ボクシングは薄いグローブで戦う競技です。

一瞬の油断で流れが変わることがあります。

さらに、バム選手にとっては階級を上げての初戦です。バルガス選手にも倒すパンチはあるはずです。

バム選手はエストラーダ戦でもダウンを経験しています。耐久力という面でも、絶対に安全とは言い切れません。

それでも全体としては、バム選手が優位です。

イメージとしては、8対2くらいでバム選手が有利。

ただし、自信満々に行きすぎると、その分リスクも増えます。

バルガスが勝つために必要なこと

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バルガス選手が勝つためには、バンタム級での体の強さとパワーをどれだけ生かせるかが重要になります。

バム選手は、プレッシャーをかけながら動いてくるはずです。

その中で、バルガス選手が逆にプレッシャーをかけ、バム選手の機動力を消せるか。

ここが大きなポイントになります。

バム選手は非常にうまい選手です。

バルガス選手が前に出るには、バム選手の攻撃に耐えなければいけません。耐えて前に出る。そしてパンチを当てる。

この両方が必要です。

ただし、かなり難しい条件です。

バム選手には攻撃力があります。一方で、バルガス選手はそこまで打たれ強い選手という印象ではありません。

過去の試合でもダウンを取られたり、倒れる場面がありました。

タフネスだけで押し切れるタイプとも言い切れないため、バルガス選手にとっては厳しい試合になるでしょう。

井上尚弥戦を語るなら、バムは圧倒しなければならない

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今回のバルガス戦は、井上尚弥選手の陣営から見ても参考になる試合です。

バム選手がバンタム級でどのように戦うのか。

フィジカル、攻撃力、パワー、耐久力。

そのすべてが、今後を考える上での物差しになります。

ただ、バム選手が井上尚弥戦へ進むためには、ただ勝つだけでは足りません。

「この選手なら井上尚弥に勝つかもしれない」

そう思わせる内容が必要です。

バルガス選手に勝ったとしても、内容が普通であれば、井上尚弥戦への期待はそこまで膨らみません。

井上選手と戦うなら、バンタム級でも圧倒的な強さを見せる必要があります。

そして本来なら、もう1戦ほど上の階級でも強さを証明した方がいい。

それくらいの説得力がなければ、井上尚弥戦の勝負論は作りにくいです。

井上尚弥vsバムは体格差が大きい

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井上尚弥選手とバム選手の対戦は、世界的にも注目されるカードです。

ただ、現時点で見ると、階級差はかなり大きい。

井上選手はスーパーバンタム級の絶対王者です。

一方で、バム選手はこれからバンタム級へ上げる段階。まだスーパーバンタム級にアジャストしているわけではありません。

体格差は確実にあります。

井上選手はすでにスーパーバンタム級の体に適応しています。向かい合った時の体格差は、はっきり出るはずです。

同じ技術であれば、体が大きく、体が強い選手の方が有利です。

その意味で、バム選手にとって井上戦はかなり厳しい試合になります。

バム選手が井上選手と戦うには、まずバンタム級で強さを示すこと。

さらに、スーパーバンタム級でも戦える体を作ること。

この2つが必要です。

バムはまだ井上尚弥戦には早いのか

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バム選手にはネームバリューがあります。

井上尚弥選手との試合は、見たいカードです。

ただ、現時点ではまだ早いという見方もできます。

バム選手は、バンタム級でも小さい方に見えます。スーパーバンタム級で戦う体ができているようには見えません。

普段の体重だけで見れば、スーパーバンタム級以上の体重はあるかもしれません。

しかし、リング上で必要なのは体重だけではありません。

筋肉量、体の強さ、パンチを受けた時の耐久力。

そこまで含めて、階級に合った体が必要です。

井上選手ほどスーパーバンタム級に見合った体を作るのは、簡単ではありません。

仮に来年1月や2月に井上戦があるとしても、そこまでに体を作り込むには時間が短い。

筋肉をつければいいという話でもありません。

試合をしながら、減量もしながら、動きの良さを残して体を強くする。

これは非常に難しい作業です。

堤聖也との統一戦問題

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バム選手がバルガス選手に勝ったとしても、すぐに井上尚弥戦へ進めるとは限りません。

そこで大きく関わってくるのが、堤聖也選手の存在です。

堤選手は休養王者です。

そのため、バルガス対バムの勝者は、一定期間内に堤選手と王座統一戦を行う流れになるはずです。

仮にバム選手が6月にバルガス選手に勝った場合、9月や10月ごろに堤選手対バム選手が組まれる可能性もあります。

これはこれで非常に面白い試合です。

ただ、井上尚弥戦へ向かう流れを考えると、堤選手との統一戦はかなり大きなハードルになります。

堤選手と戦えば、バム選手は簡単には進めません。

ダメージを受ける可能性もありますし、試合内容によっては井上戦への評価も変わります。

つまり、バム選手にとっては、バルガス戦だけでなく、その先の堤戦も大きなテーマになります。

堤聖也とバムが戦ったらどうなるか

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もし堤選手とバム選手が戦うことになれば、堤選手は前に出て潰しにいく展開を作るでしょう。

機動力ではバム選手の方が速いはずです。

ただ、体のパワーや馬力では、堤選手の方が上ではないかと見ています。

バム選手は、堤選手の入り際を狙うはずです。

堤選手がそこを耐えられるか。

耐えたうえで後半勝負に持ち込めるか。

そこが試合のポイントになります。

堤選手のしつこさや後半の強さに巻き込まれれば、バム選手でも苦労する可能性があります。

もちろん、バム選手が攻撃力であっさり勝つ可能性もあります。

それでも、バルガス選手より堤選手の方が、バム選手に勝つ可能性はあると見ています。

少なくとも、堤選手との試合は楽な通過点にはなりません。

井上尚弥の今後の選択肢

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井上尚弥選手から見ても、バム選手との対戦は大きなカードです。

井上選手は、スーパーバンタム級であと一人やりたい選手がいると話していました。

それがバム選手なのではないか、という見方もできます。

現状、井上尚弥選手と戦うにふさわしいネームバリューを持つ選手は限られています。

その中で、バム選手は世界的な注目度を持つ数少ない候補です。

もしバム戦が実現しない場合、井上選手はスーパーバンタム級で防衛戦を重ねるのか。

それともフェザー級へ上げるのか。

そこも大きなテーマになります。

中谷戦の後だからこそ、さらに大きな挑戦を期待する声もあるでしょう。

防衛戦をこなすよりも、フェザー級で新しい挑戦をする。

見る側としても、そういう試合を見たい気持ちはあります。

井上尚弥と戦うために必要なフィジカル

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バム選手が井上尚弥選手と戦うには、スーパーバンタム級で通用するだけのフィジカルが必要です。

通用するだけでは足りません。

スーパーバンタム級でも強いと言えるくらいの体を作らなければ、井上選手とは勝負になりにくいでしょう。

井上選手は、スーパーバンタム級でもかなりフィジカルが強い選手です。

その相手と戦うには、それ相応の体が求められます。

ただし、バム選手の持ち味である機動力やテクニックを失ってはいけません。

動きの良さを残したまま、体の強さを上げる。

ここが非常に難しいところです。

まずはバンタム級での試合を見る必要があります。

特に注目したいのは、パンチを受けた時の反応です。

バンタム級でどれだけパワーを出せるのか。

相手のパンチを受けた時にどう反応するのか。

そこを見れば、井上尚弥戦がどれだけ現実的なのかも見えてくるはずです。

一番気になるのは堤聖也の扱い

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今回の流れで一番気になるのは、堤聖也選手の立場です。

正直、少しかわいそうな部分があります。

ルール通りに考えるなら、バム選手がバルガス選手に勝った場合、次は堤選手との試合を見たいです。

堤選手に勝ってから井上尚弥選手へ向かうのであれば、まだ納得できます。

しかし、堤選手が試合可能な状態になっても、バム選手が堤戦を行わない場合、堤選手の扱いはどうなるのか。

バム選手の正規王座を剥奪して、堤選手をチャンピオンに戻すのか。

WBAのベルトの扱いがどうなるのかは、現時点では分かりません。

だからこそ、今回の流れは簡単ではありません。

バム選手がバルガス選手に勝てば、井上尚弥戦への期待は高まります。

しかし、その前に堤聖也選手との統一戦問題があります。

ここをどう扱うのかが、今後の大きなポイントです。

井上尚弥vsバムは、まだ先の話

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バム選手が勝てば、軽量級のビッグマッチになるであろう井上尚弥戦へ向けて、期待は一気に高まります。

ただ、現実にはクリアすべき条件がいくつもあります。

まずはバルガス戦。

そこでバム選手がどれだけ強さを見せるのか。

次に、堤聖也選手との統一戦問題。

そして、スーパーバンタム級で井上尚弥選手と戦える体を作れるのか。

井上尚弥対バムが本当に実現するのかどうかは、そこから見えてくるはずです。

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しいの

【この記事を書いた人】
アマチュア実績全国3位(東洋大)
元プロボクサー
世界ランキング最高7位
第43代OPBF東洋太平洋バンタム級王者
ボクシング特化型パーソナルトレーナー
世界・東洋・日本チャンピオン10名輩出
キッズボクサー全国チャンピオン5名輩出
キックボクサー世界チャンピオン指導

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