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5月2日の東京ドームで行われた井上尚弥選手と中谷潤人選手の一戦後、中谷選手のトレーナーであるルディ・エルナンデス氏が、気になるコメントを残しました。

ルディ氏は、試合後に「最初の数ラウンドでジュントを抑えてしまったのは自分のミスだった」と話しています。

この発言は、どういう意味だったのか。

中谷選手をもっと積極的に行かせるべきだったという後悔なのか。
それとも、井上選手に先に踏み込ませて、そこに合わせるという作戦だったのか。

今回は、このルディ氏の発言をもとに、井上尚弥選手との再戦の可能性、そして“バム”ことジェシー・ロドリゲス選手との対戦構想について、ボクシングトレーナーの視点から話していきます。

序盤を抑えたのは本当に作戦ミスだったのか

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(ルディ氏は、試合後に「最初の数ラウンドでジュントを抑えてしまったのは自分のミスだった」と話していました。これについて、まずどう受け止めるか。)

あの発言だけを見ると、中谷選手が行こうとしていたところを、ルディさんが「まだ行くな」と抑えていたのか。
それとも、最初から作戦として待ちのスタイルを選んだのか。

そこは正直、外からは分からない部分です。

ただ、井上選手を先に踏み込ませて、そこに合わせる。
そういう狙いを持たせたこと自体が失敗だったと感じたのかもしれません。

ルディさんが言いたいのは、もっと積極的に行かせればよかったということだと思います。

(試合前の会見で中谷選手は、井上尚弥選手について「学ぶ選手だから、学ばせないように作戦を立てた」というようなことを話していました。そう考えると、序盤の戦い方も作戦だったのではないかと感じます。)

僕も、あれはそういう作戦だったのかなと思いました。
待ちというか、序盤は井上選手を踏み込ませて、そこに合わせる狙いだったのかなと思います。

ただ、僕的にも、中谷選手が攻めていた場面の方がチャンスはあったと思いました。
だから、序盤からもう少し行ってもよかったんじゃないかなとは思います。

でも、それはタラレバです。

行ったら行ったで、倒されていた可能性もあります。
そこは、実際にやってみないと分からないところです。

井上尚弥の力を警戒した慎重な入りだった

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(実際の試合を見ても、中谷選手には慎重さが感じられました。それは、井上尚弥選手の力を警戒して、見ながら入る作戦になったのだと思いますか。)

僕は基本的に、あまり背が高くないので、自分より大きい選手と戦うことが多かったんです。

大きい選手と戦う時に、大きい選手が遠いところで待っていた方が、僕としては嫌でした。
踏み込むしかないからです。

逆に、大きい選手が少し前に来てくれると、僕としては届く距離に行きやすくなります。

だから、中谷選手が井上選手に対して序盤から踏み込む展開になったら、井上選手がカウンターを合わせる展開にもなったと思います。

本当に、やってみないと分からないです。

ただ、あのままやっていても良くなかったから、中盤から中谷選手を前に行かせたのだと思います。
その展開を、もっと早く行かせておけばよかったということなのかなと思います。

序盤の失点はやはり大きかった

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(トレーナーとしては、序盤の失点が一番悔やまれる部分だったと思いますか。)

少し長かったですよね。

6ラウンドまで、1人のジャッジはフルマーク。
7ラウンドまでフルマークだったかもしれませんが、井上選手にポイントをつけていました。

一方で、2人のジャッジは5、6ラウンドを中谷選手につけていたと思います。

そう考えると、中谷選手が前に出ている展開の方が、中谷選手にポイントが行きやすかったのかなと感じます。
見栄えも良かったです。

トレーナーが「自分の作戦ミス」と言う意味

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(試合後にトレーナーが「自分の作戦ミスだった」と公に話すことについて)トレーナーの記事やコメント自体が、そこまで多く出されるものではありません。

ただ、そう思うことはあります。

やってきた練習が、勝つ練習にならなかった。
トレーナーが作戦を立てて、それに選手は忠実にやったけど勝てなかった。

そういう時は、やっぱりトレーナーの責任というか。

「選手が負けたんじゃない。選手は頑張った。けど、トレーナーの作戦ミスだった」

そういう形で、ルディさんが中谷選手をフォローしているコメントでもあると思います。

中谷選手が井上選手に負けたのではなく、自分の作戦ミスだった。
そういうフォローとしても捉えられます。

ルディ氏の発言に見える親心

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(あれだけ大きな試合の後に、自分のミスを認めるのは簡単なことではないと思いますが。)

それだけ、自分の責任として捉えているということ。
そして、中谷選手のことを思っているということだと思います。

よくありますよね。
試合が終わってから選手と反省会をする中で、「もっとこうしておけばよかったね」と話すことがあります。

その時に、選手に対して「こうしておけばよかっただろう」と言うのではなく、
「こういう練習をしておけばよかったね」と、こちら側が自分に言い聞かせるような意味合いもあります。

そういうことは、よくやっています。

ルディさんは、おそらく中谷選手のことを息子みたいな感じで見ていると思います。

それでも井上尚弥相手に序盤から行くのは難しい

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(一方で、相手は井上尚弥選手。序盤から行けばよかったと後悔として話していても、実際にリングの中でそれをやるのはかなり難しいのでは。)

行けないんでしょうね。

中谷選手は6、7ラウンドぐらいから前に出ました。
でも、これまでの選手が井上選手に対して行けていないことがほとんどでした。

行ったところで何もできていない選手がほとんどだったと思います。

行きたくても行けないんです。
井上選手が相手になると、速いからです。

足も速いし、打ってくるパンチも速い。

手を出したい選手からしたら、井上選手の何が一番厄介かというと、リターンが速いことなんです。
カウンターや狙いがめちゃくちゃ速い。

手を出すと打たれると思うと、手を出せなくなってしまいます。

その速さであの強打が飛んできたら、やっぱりみんなガードで固まってしまうというか。
前には出るけど、手を出したら打たれるから手を出せない。
だから、近寄っていくだけになってしまう。

中谷選手が、速い井上選手に対して、序盤からリズムを読む前に行っていたら、カウンターを合わされていた可能性もかなりあります。

これは本当にタラレバというか、分からないです。

前に出ればチャンスも増えるが、リスクも増える

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もし中谷選手が序盤から前に出ていた場合、展開は全然変わったと思います。

どちらかの展開になったかもしれないです。

その分、井上選手にもチャンスが増えます。
中谷選手が前に出る分、カウンターを合わせられて倒される場面もあったかもしれません。

行けばチャンスはあります。
でも、リスクもかなりあります。

だから、中谷選手が行けば勝てたかというと、そうとも限りません。
チャンスだけではなく、リスクも増えるからです。

(ルディさんは「抑えたのがミス」と話していますが、逆に言えば、それだけ井上尚弥選手に対して慎重にならざるを得ない怖さがあったということだと思いますか。)

行ったら合わされる。
その危機感があって、なかなか行けなかったのではないかと思います。

ルディ氏が再戦を求める理由

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(ルディ氏は、11ラウンドの負傷までは「ノリに乗っていた」「すべてがうまく機能していた」「井上を攻め込んでいた」と振り返っています。
このあたりから見ると、敗戦の中でもかなり手応えを感じていたのではないかと思います。)

井上選手が少し抜いたというか、ポイントを取られてもいいと思ったラウンドに関してのことだと思います。
そこから井上選手は上げてくると思うので、ケガがなかったとしてもどうなっていたかは分かりません。

井上選手が抜いたとされるラウンドでも、ルディトレーナーの中では、中谷選手が流れを作ったラウンドでもあったのだと思います。

だからこそ、再戦を求めているのだと思います。

希望が見えたというか、
「こうしたら勝てたかもしれない」
というものが見えるくらいの差だったのかなと。

ルディさんから見たら、攻略の仕方が見えたのだと思います。
こうしたら勝てたかもしれない。
そういうものが見えたんだと思います。

再戦は、僕はありだと思います。

ただ、すぐではないなと思っています。

再戦するならフェザー級で見たい

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中谷選手が井上選手により勝率を高めるためには、フェザー級に上がってからでもいいんじゃないかなと思っています。

例えば、噂されているのが、バム対井上選手です。
バムがバンタム級に上がって、次か、その次かで井上選手とやるということも噂されています。

その後、井上選手がフェザー級に上げるとなった場合。
フェザー級で井上選手がタイトルを取ったとして、そこに中谷選手が挑戦する。

フェザー級の体になったら、中谷選手は今より太くなると思います。
全体的なパワーも上がるし、フレームの大きさがより生きると思います。

フレームの大きさがより生きた中谷選手に、井上選手はどうやるのか。
中谷選手の良さも強まるのかなと思います。

そうなったら、前回よりチャンスがあるんじゃないかなと個人的には思っています。

フェザーに上がってから、ぜひ再戦を見たい。
僕的には、そういう気持ちです。

その方が、中谷選手の勝率が上がるんじゃないかなと思っています。

判定だからこそ面白かった試合

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(判定は3対0でしたが、試合内容としては、もう一度見たいと思わせる要素はあったか。)

全然ありました。中谷選手は強いです。

もっと強くなると思います。

その時に、井上選手がそれを見せても「井上強え」となるのか、
「中谷強くなったな」となるのかは分かりません。

でも、絶対に面白い試合にはなると思います。

ボクシングの華といえばKOですが、この間の試合は判定だからこそ面白かったと思います。
最後までいったから面白かったというのはあると思います。

再戦すれば1戦目とは違う試合になる

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(もし井上尚弥選手と中谷潤人選手が再戦するなら、1戦目とはかなり違う内容の試合になる可能性はあると思いますか。)

中谷選手は変わってくると思います。

ルディさんの発言からしても、少なくとも中谷選手は次に同じ入り方はしないと思います。

違う入り方をした時に、どう噛み合うか。

序盤から圧力をかける展開になるかもしれません。
もし、序盤のめちゃくちゃ速い井上選手に圧力をかけられるなら、そういう展開は見たいです。

圧力をかけられる井上選手も見たいですし、井上尚弥選手側もそれを読んで対策してくると思います。
それに対して、井上選手がどう動くかも見たいです。

井上選手は足が速いです。
本当に足が速い。

前回はプレッシャーをかけて踏み込みましたが、動くこともできます。
動いて空回りさせて、そこを狙うこともたぶんできます。

だから違う展開になると思います。

そうなった時に、中谷選手が構わずプレッシャーをかけ続けられるのか。
「これはプレッシャーをかけたらダメだ」となって、後ろを使う展開になるのか。
また待つ展開になるのか。

そこは分かりません。

ただ、中谷選手としては、前回と同じだと勝てないので、変わってこないとダメだと思います。

バムは井上の前に中谷とやるべきなのか

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(今回、ルディトレーナーは、バムことジェシー・ロドリゲス選手についても「井上の前に中谷とやるべき」というコメントをしています。)

これは、めちゃくちゃ面白いと思います。

井上尚弥選手に負けた中谷選手の強さを、もう一度証明したい。
そういう発言でもあると思います。

そして、対井上選手の前には、バムもいろいろ証明するべきだと思います。

井上拓真選手とやるなり、中谷潤人選手とやるなりして、それに勝ったら、井上選手との勝負論が出てくる。
「これは強いな。井上戦、絶対面白いんじゃないか」
という声にならないといけないと思います。

今は正直、井上選手対バムをやっても、ほぼほぼ井上選手でしょ、となっていると思います。

その声を覆さないといけません。

陣営は、勝てると言っているんです。
井上選手に勝てると思っているからやりたいわけです。

もちろん、ファイトマネーもあると思います。
井上選手とやれば高額なファイトマネーが確約されるので、やりたいというのもあるでしょう。

でも、勝てると思っているからやりたいわけです。

ただ、今の世間の声として、バムが井上選手に勝てると思っているファンがどれだけいるか。
僕は圧倒的に井上選手有利だと思っています。

だから、バムが証明するためには、井上拓真選手なり中谷選手に勝つことだと思います。

中谷選手に勝ったら、文句ないです。
中谷選手に勝ったら、本当に文句なく、井上選手との試合はめちゃくちゃ面白いカードになります。

中谷潤人対バムは噛み合う可能性がある

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(ルディトレーナーは、バムと中谷選手が戦えば「8ラウンド以内にKO勝利できる」と強気な発言をしています。)

これについては、相性的に僕は噛み合うと思います。

バム側からしても、中谷選手はやりにくいタイプではないと思います。
サウスポー同士ですし、距離の調整もあります。

中谷選手は距離を生かし切れるかどうか。
バムは接近戦もできますし、ブロッキングもしっかりしています。
機動力もあるし、パンチの角度も多彩です。

面白いと思います。

僕的には、井上選手対バムよりも、中谷選手対バムの方がいい勝負になるかなと思っています。

噛み合い的にもいい勝負になると思うので、やったらいいんじゃないですかね。
やって、中谷選手に勝ったら文句ないと思います。

試合後の発言まで含めてボクシングのストーリー

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(今回のルディトレーナーの発言は、井上尚弥選手との再戦アピールでもあり、中谷選手の価値を下げないための発言にも見えます。
ボクシングは、試合後の発言まで含めて一つの試合だなと思う部分があります。
今回の発言も、中谷選手の次の大きな試合につなげるためのものとも言えると思いますか。)

それもあると思います。

やっぱり、中谷選手への親心というか。
中谷選手の価値を落とさないためというか。
フォローしているような感じにも聞こえます。

ただ、今回はそんなフォローがなくても、中谷選手の価値は絶対に落ちないと思います。

僕の中では、中谷選手は強いなと思いましたし、世間も絶対に中谷選手は強いと思ったはずです。

試合前から、今回はいろいろな事前番組も作っていました。
そういうものがあって、試合を盛り上げていく。
試合までのストーリーみたいなものを作っていました。

何なら、去年の表彰式からストーリーが始まっていました。

その事前番組でさらに盛り上げて、試合がめちゃくちゃ面白かった。
そして試合後の会見で、お互いの心境や次に向けての発言もあった。

それも含めて、一つの試合というか、ストーリーみたいな感じです。

ここからまだまだ、あの二人は続いていきます。
引退するわけではないですから。

井上選手のストーリーも続くし、中谷選手のストーリーも続きます。
その中でどう交わっていくのか。

1試合だけではないです。
本当に、選手の物語だと思います。

まとめ|中谷潤人はもっと強くなって戻ってくる

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今回は、ルディさんが中谷選手をフォローした発言だったと思います。

「こういう作戦にしておけばよかった」
「中谷選手を抑えたことがミスだった」

そういう、自分を責めるようなコメントを残していました。

トレーナーは、そういうことを思うことがあります。
こういう作戦で行っておけばよかったな、と思うことはあります。

ルディさんの親心というか、中谷選手に対する信頼が見えた発言だったと思います。

中谷選手は、この試合で絶対にもっと強くなって戻ってくると思います。
僕はまた再戦を見たいです。

フェザー級でやったら、今回より接戦になるんじゃないかなと思います。
作戦を変えてきた、違う展開の二人の試合もまた見てみたいです。

まずは中谷選手は、怪我を治すことが最優先です。
その後、しっかり次に向けて進んでいけたらと思います。

バムと中谷選手の試合も面白いです。

ただ、あの怪我だと復帰戦まで少しかかるかなと思うので、しっかり治して、どういう形になっても楽しみにしています。

中谷選手には、頑張ってほしいです。

ボクシングでよく聞かれる質問について

  • 練習ではできるのに、試合だと動けない
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  • 作戦を立てても本番で崩れる
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【この記事を書いた人】
アマチュア実績全国3位(東洋大)
元プロボクサー
世界ランキング最高7位
第43代OPBF東洋太平洋バンタム級王者
ボクシング特化型パーソナルトレーナー
世界・東洋・日本チャンピオン10名輩出
キッズボクサー全国チャンピオン5名輩出
キックボクサー世界チャンピオン指導

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