
RIZIN LANDMARK 14 in SENDAIで行われた、神龍誠選手と扇久保博正選手のRIZINフライ級タイトルマッチ。
神龍選手が判定で勝利し、RIZINフライ級の新王者となりました。
今回の一戦は、神龍選手にとって単なるタイトルマッチではありません。
前回敗れた扇久保選手へのリベンジであり、地元・宮城でのメインイベント。そして、元師匠でもある相手を超えてベルトを獲るという、大きな意味を持つ試合でした。
ここでは、今回の勝利、前回対戦からの変化について振り返ります。
- 1. 神龍誠の王座獲得は本当に嬉しかった
- 2. 前回との一番の違いは打撃だった
- 3. ケージでの下がり方も良かった
- 4. 扇久保博正への対応策が出ていた
- 5. 冷静に戦えた理由は準備への自信
- 6. 左縦ヒジで見えた神龍誠の武器の多さ
- 7. 扇久保博正にやりたいことをやらせなかった
- 8. 扇久保博正の「倒したかった」という気持ち
- 9. 試合後のマイクに出ていた格闘技の良さ
- 10. 扇久保博正もかっこよかった
- 11. 誰も落とさずに終わったストーリー
- 12. RIZINフライ級の今後
- 13. ララミー戦になった場合のポイント
- 14. 結果が出ない選手に伝えたいこと
- 15. MMAでもボクシング技術は大事になる
神龍誠の王座獲得は本当に嬉しかった

神龍選手の勝利は、本当に嬉しいものでした。
神龍選手とは、打撃をレベルアップしたいということで、約1年半前からDANGAN GYMでボクシングを一緒に取り組んできました。
昨年は自分がライセンスを持っていなかったため、セコンドに入ってサポートすることもありました。今年はライセンスを取得した関係でセコンドには入れませんでしたが、練習では打撃の作戦を一緒に練り、ボクシングスパーを見ながらアドバイスしてきました。
神龍選手は、ここ最近かなりボクシングに力を入れています。
勝った試合も、負けた試合も見てきました。昨年トーナメントで敗れた時は、自分自身も悔しかったですし、神龍選手本人にも大きな悔しさがあったはずです。
その悔しさを乗り越えて、今回、扇久保選手にリベンジし、タイトルを獲得しました。本人にとっても、これまでで一番嬉しいタイトル獲得だったのではないでしょうか。
前回負けた相手に勝ったこと。
地元・宮城で勝ったこと。
メインイベントで勝ったこと。
そして、元師匠でもある扇久保選手を超えてベルトを獲ったこと。
これだけの要素が重なった勝利は、神龍選手にとって非常に大きな意味があったはずです。
今回は会場で見ることはできませんでしたが、試合後の会見や映像を見ても、神龍選手が本当に嬉しそうだったのが伝わってきました。
前回との一番の違いは打撃だった

前回の扇久保戦と今回を比べた時、一番変わった部分は打撃です。
今回の神龍選手は、打撃でまったく負けていませんでした。クリーンヒットもほとんどもらっていなかったように見えます。
足を蹴られる場面はありましたが、パンチに関してはほぼ見切れていました。相手の攻撃に対する反応も良く、対策してきたことを試合の中でしっかり出せていました。
作戦遂行能力の高さも目立った試合です。
MMAの中で打撃をどう使うか。
相手が入ってきた時にどう対応するか。
強引に来られた時に、どう組みや寝技など違う展開につなげるか。
そうした部分で、神龍選手は迷いなく動けていました。
展開の速さ、動きのスピード、パンチへの反応。どれを見ても、前回より明らかに良くなっていたと感じます。
ケージでの下がり方も良かった

今回の試合はリングではなく、ケージで行われました。
ケージでの試合では、下がり方がとても重要になります。まっすぐ下がりすぎると詰められやすく、相手にプレッシャーをかけられやすくなるからです。
その中で、神龍選手は足の使い方が非常に良かったと思います。
まっすぐ下がらない。
下がりながらも相手の攻撃を見切る。
バックステップで距離を作る。
このあたりは練習でも取り組んできた部分で、今回の試合ではしっかり出ていました。
試合後の会見を見ても、神龍選手の顔はかなりきれいでした。いいパンチをほとんどもらっていなかった証拠でもあります。
打撃の練習で積み上げてきたものが、試合の中で形になった一戦でした。
扇久保博正への対応策が出ていた

扇久保選手の動きの特徴と、神龍選手の動きの特徴を考えると、ボクシングの展開になった時にどうなるかは、ある程度予想できる部分がありました。
そこに対する対応策は練習の中でも取り組んでいましたし、実際に試合でも出ていたと思います。
扇久保選手は前に出て、フックを振ってくる場面が多くありました。
ただ、神龍選手とは足のスピードに差があります。もし扇久保選手がワンツーでまっすぐ入ってくる形であれば、神龍選手のワンツーが当たる展開になっていた可能性があります。
だからこそ、扇久保選手はフックを振る形になったのではないでしょうか。
もちろん、首相撲からの膝蹴りや肘打ちは、ボクシングではなく神龍選手がキックボクシングやMMAの中で身につけてきた技術です。
ただ、打撃の距離感、パンチへの反応、相手の入り方への対応という部分では、神龍選手が準備してきたものがしっかり出ていました。
冷静に戦えた理由は準備への自信

今回の神龍選手は、本当に冷静でした。
前回負けている相手。
因縁のある相手。
地元でのタイトルマッチ。
メインイベント。
これだけ感情が入りやすい条件がそろっている中で、神龍選手は落ち着いて試合を進めていました。
冷静に戦えた理由は、やはり準備への自信だと思います。
良い練習ができていた。
対策も積めていた。
やってきたことに自信があった。
だからこそ、試合中に迷いが少なかったのではないでしょうか。
今回はホセ・トーレス選手を呼んでスパーリングを行い、DANGAN GYMでも良い練習ができていました。自分が別で指導しているMMA選手とも、神龍選手はボクシングスパーを行っていました。
立ち技でも、MMAの組みでも、技術面でも、かなり良い準備ができていたように見えます。
ボクシングでも同じですが、自信がある選手は迷いが少なくなります。やってきたことに自信があり、自分自身にも自信を持てていると、試合で冷静に動けるようになります。
今回の神龍選手は、まさにその状態でした。
左縦ヒジで見えた神龍誠の武器の多さ

3ラウンドでは、神龍選手の左縦ヒジで扇久保選手が出血する場面がありました。
あれは試合の流れを大きく動かした場面です。
相手が入ってきたところに肘を合わせる。
膝も使う。
組みも使う。
これはMMAならではの攻撃です。
ボクシングには肘も膝もありませんが、MMAではそういった技のレパートリーの多さが大きな武器になります。
今回の試合では、神龍選手のパンチだけではなく、MMAファイターとしての技の幅も見えました。
打撃、膝、肘、組み。
それぞれの技術がうまくつながっていた試合だったと思います。
扇久保博正にやりたいことをやらせなかった

今回の神龍選手は、扇久保選手の得意な距離に長くいませんでした。
扇久保選手がやりたいことを、神龍選手がうまく消していた印象です。
クリーンヒットもほとんどもらっていません。試合後の神龍選手の顔がきれいだったことからも、いいパンチを受けていなかったことが分かります。
下がり方、ステップワーク、距離の外し方。
このあたりはかなり良かったです。
扇久保選手に前へ出られても、そのまま受け続けるのではなく、距離を外す。あるいは組みにつなげる。そうした判断が冷静にできていました。
扇久保選手の圧力を受けながらも、主導権を渡さなかった試合だったと思います。
扇久保博正の「倒したかった」という気持ち

扇久保選手は試合後のインタビューで、どうしても倒したかったという趣旨の話をしていました。
その気持ちは、試合にも出ていました。
出血したあとも、扇久保選手は前に出続けていました。最後まで倒しにいく姿勢を見せていたところは、やはりすごい選手です。
ただ、倒したい気持ちが強く出ると、パンチが見えやすくなることもあります。神龍選手からすると、扇久保選手の攻撃が見えやすかった部分もあったのではないでしょうか。
扇久保選手の強さや気持ちはもちろん出ていました。
そのうえで、今回は神龍選手の進化がより際立った試合だったと思います。
試合後のマイクに出ていた格闘技の良さ

今回の試合後のマイクは、本当に良かったです。
神龍選手の言葉も良かったですし、扇久保選手の発言も良かった。控え室でのやり取りまで含めて、印象に残る試合でした。
神龍選手にはパフォーマンスの部分もあると思います。ただ、本音ももちろんあったはずです。
神龍選手にも、扇久保選手に対して思うことがあった。
扇久保選手にも、神龍選手に対して思うことがあった。
それでも、格闘技には試合を通して分かり合える瞬間があります。
言葉ではなく、倒し合うこと。
殴り合うこと。
相手の覚悟を感じること。
試合をしていると、相手が積み上げてきたもの、その試合に懸けてきた練習、必死さ、人生を懸けて向き合っていることが伝わってきます。
だからこそ、終わったあとにリスペクトが生まれる。
格闘技をやったことがない人からすると、殴り合ってなぜ分かり合えるのか、理解しにくいかもしれません。
でも、格闘技にはそういう良さがあります。
扇久保博正もかっこよかった

負けたあとの扇久保選手の言葉も、本当にかっこよかったです。
神龍選手に対して「本当に強くなったな」と返した場面は、感動しました。
対戦相手同士というより、師弟関係に近いものを感じました。親子ではありませんが、それに近い関係性の中で出た言葉だったのではないでしょうか。
僕は、自分が元々見ていた選手と試合をしたことはありません。だから、扇久保選手がどういう心境だったのかを正確に理解することはできません。
ただ、もし自分が現役で、自分が見ていた選手と試合をして負けたとしたら、「強くなったな」と感じる部分はあるかもしれません。
そう考えても、あのやり取りは本当に良かったです。
誰も落とさずに終わったストーリー

今回の試合は、ストーリーとしても素晴らしい終わり方でした。
総合格闘技では、試合を盛り上げるために煽り合いが起きることもあります。対立構造が強く見える試合も少なくありません。
ただ今回は、以前から続いていたストーリーがあり、それが誰かを落とす形ではなく、どちらもかっこよく終わったように見えました。
扇久保選手からすれば、負けている以上、完全なハッピーエンドではないかもしれません。
それでも、次に進める終わり方だったと思います。
人間関係や背景が見えることも、格闘技の魅力です。RIZINはそういう見せ方がとても上手いですが、今回は作られたストーリーというより、本当にリアルなものだったと感じます。
RIZINフライ級の今後

神龍選手が新王者になったことで、RIZINフライ級はさらに面白くなると思います。
同じ大会では、神龍選手に勝っている元谷友貴選手がトニー・ララミー選手に敗れました。その流れを考えると、神龍選手とララミー選手のタイトルマッチという可能性もあります。
ただ、神龍選手本人はその前に一度試合をしたいという話もしていました。
秋頃にもう一試合挟むのか。
元谷選手との再戦になるのか。
伊藤裕樹選手との試合になるのか。
このあたりは今後の流れ次第です。
伊藤選手との試合の時は、自分もセコンドに入っていました。対策も含めて一緒に練習し、サポートさせてもらった試合だったので、今でもよく覚えています。
将来的には、UFCのようなアメリカの大舞台に挑戦する神龍選手も見てみたいです。
現在のトップ選手たちとも噛み合う部分はあると思いますし、個人的にはそういう挑戦にも期待しています。
ララミー戦になった場合のポイント

もし神龍選手とトニー・ララミー選手が戦うことになれば、今回の扇久保戦に近い展開になる可能性もあります。
神龍選手の大きな武器はスピードです。
そのスピードを生かして、アウトボクシングを主体に戦うことができれば、十分に勝負できる相手だと思います。
もちろんララミー選手も強い選手です。実現すれば、かなり面白い試合になるのではないでしょうか。
結果が出ない選手に伝えたいこと

神龍選手のすごいところは、自分に必要だと思ったことをすぐ行動に移すところです。
アメリカン・トップチームに合宿へ行く。
自分に投資する。
格闘技で強くなるために考え、実際に動く。
その行動力は本当にすごいです。
もちろん、応援してくれるスポンサーさんの存在もあると思います。ただ、それを含めても、神龍選手が格闘技に本気で懸けていることは伝わってきます。
今回も、試合前のプロモーション活動をかなり頑張っていました。
練習で疲れている中でも、忙しい中でも、RIZINの舞台を盛り上げるために動いていました。
そういう姿勢があるからこそ、周りも「この選手のために動きたい」「サポートしたい」と感じるのだと思います。
強くなるために考える。
時間もお金も投資する。
全力で懸ける。
そういう選手の本気度は、周りにも伝わります。
神龍選手からは、絶対に強くなる、チャンピオンになるという執念を強く感じます。
何かで成功するためには、執念が本当に大事です。
結果が出ずに悩んでいる選手も、絶対に強くなる、チャンピオンになるという気持ちを持って、積み上げていってほしいと思います。
MMAでもボクシング技術は大事になる

今回、約1年半ボクシング面をサポートしてきた神龍選手が、RIZINでチャンピオンになれたことは本当に嬉しいです。
一緒に取り組んできたボクシングが、少しずつ神龍選手の今のスタイルにはまってきているように感じます。
そして、それが今回の結果にも結びつきました。
神龍選手はまだ若く、これからもっと上を目指していく選手です。今後も本人が望む形でサポートできるよう、自分自身も頑張っていきたいと思います。
神龍選手、本当におめでとうございます。
今回の勝利は、本当に嬉しかったです。
MMAでも、やはりボクシング技術は大事です。
最近はキックボクシングでもMMAでも、パンチ技術が生きる場面は多いと感じています。
距離の作り方、パンチへの反応、下がり方、バックステップ、相手の攻撃の見切り方。
こうした部分は、競技が違っても必ず生きてきます。
今回の神龍選手の勝利は、MMAにおけるボクシング技術の重要性も改めて感じさせる試合でした。
ボクシングでよく聞かれる質問について
- 練習ではできるのに、試合だと動けない
- 自分に合う戦い方が分からない
- 作戦を立てても本番で崩れる
- 何を基準に練習を組めばいいか迷う
こうした質問は、
現場の相談でも繰り返し出てきます。
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【この記事を書いた人】
アマチュア実績全国3位(東洋大)
元プロボクサー
世界ランキング最高7位
第43代OPBF東洋太平洋バンタム級王者
ボクシング特化型パーソナルトレーナー
世界・東洋・日本チャンピオン10名輩出
キッズボクサー全国チャンピオン5名輩出
キックボクサー世界チャンピオン指導
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