こんにちは、椎野です。
フィジカルトレーニングは、体力全般、心肺機能的なスタミナ、筋持久力、パワーやスピードなど、基本的な身体能力の向上や、自分の体を使いこなせるようにするために行います。
ボクシングは、運動したことがない人や運動神経が鈍い人でもできると言われますが、基本的な運動能力が高い方が有利です。
パワー、スピード、持久力がある方がより有利なので、フィジカルトレーニングを取り入れるとスキルアップに繋がります。
今回は、そんなボクシングにおける効果的なフィジカルトレーニングについて解説します。
筋トレからウェイトトレーニング、そしてロードワークまで、各種トレーニングがどのようにボクサーのパフォーマンスを向上させるのか、また、トレーナーが組み立てるフィジカルメニューも合わせてご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
合わせて読みたい
この記事を書いた人
- 元プロボクサー
- 世界ランキング最高7位
- 東洋太平洋タイトル獲得
20年以上のボクシングキャリアを活かし
- ボクシング特化型パーソナルトレーナー
- トレーナー育成講師
- プロ専門ボクシングトレーナー
として活動しています。
担当した選手がチャンピオンベルトを獲得した数は10本以上。勝率はプロボクシング界の中でもトップクラス。
ボクシング好きなあなたに役立つボクシング情報を発信していきます。
本記事の内容
- 1. ボクシングに効果的なフィジカルトレーニング方法
- 1.1. 効果的なフィジカルトレーニング❶筋トレ
- 1.1.1. 筋トレは自重トレーニングがオススメ
- 1.2. 効果的なフィジカルトレーニング❷ウェイトトレーニング
- 1.3. 効果的なフィジカルトレーニング❸ロードワーク
- 1.3.1. 短距離ダッシュ
- 1.3.2. インターバルトレーニング
- 1.3.3. 負荷をかけたロードワーク
- 2. ボクシング初心者から中級者まで!段階別フィジカルトレーニングメニュー
- 2.1. 初心者向けフィジカルトレーニングメニュー
- 2.1.1. 上半身トレーニング
- 2.1.2. 下半身トレーニング
- 2.1.3. コアトレーニング
- 2.2. 中級者向けフィジカルトレーニングメニュー
- 2.2.1. 下半身トレーニング
- 2.2.2. 上半身トレーニング
- 3. 自信向上!フィジカルトレーニングがもたらすメンタルへの影響
- 3.1.1. 不安な気持ちがパフォーマンスに影響する?
- 4. ボクシングに必要なフィジカルトレーニングまとめ
- 5. 最後に
ボクシングに効果的なフィジカルトレーニング方法
ボクシングに効果的なフィジカルトレーニングとして3つをご紹介します。
- 筋トレ
- ウェイトトレーニング
- ロードワーク
効果的なフィジカルトレーニング❶筋トレ
筋トレをあまりやったことがない人は自重トレーニング自分の体を使った筋トレ)から始めるのがオススメです。腕立てや懸垂、スクワット、プランクなどの体幹トレーニング、腹筋運動などベーシックなもので構わないので、まずはしっかり自分の体を使ってトレーニングしてください。
筋トレは自重トレーニングがオススメ
自重トレーニングは多関節種目であることが多いです。多関節種目とは、二つ以上の関節が関連して行う運動のことを指します。
多関節種目を行うメリットには、一度に複数の筋肉を使えること、自分の体をコントロールするのが上手くなること、ほぼすべてのトレーニングで体幹が鍛えられることなどがあります。
例えば、パンチを打つときは、足で地面を蹴り、しっかりと踏ん張ります。その状態で体をひねり、腹筋を使い、腕を伸ばし、肩や腕の筋肉も使います。
さらに、背中のヒットマッスル、つまり肩甲骨周りの筋肉もよく使われます。パンチが当たる瞬間には、拳を握ったり手首を返したりします。
このように、全身を連動させてパンチを打つため、できるだけ多くの筋肉を動員しコントロールする多関節種目がオススメです。
筋トレはパフォーマンスの向上、スタミナの増加、パワーやスピードの向上につながります。初めは一つでも良いので、できることから始めてみましょう!
効果的なフィジカルトレーニング❷ウェイトトレーニング
次に、ボクシングに効果的なウェイトトレーニングについて説明します。
スクワットやベンチプレスは、使用する筋肉が比較的多いトレーニングなのでおすすめです。これらの多関節種目は、全身の筋肉を同時に活用し、体幹の安定性や力の発揮を向上させる効果があります。
一方、アームカールやショルダープレスは単関節種目であり、基本的には一つの関節しか使わないため、使っている筋肉が少ないです。
単関節種目は、特定の筋肉を集中的に鍛えたい場合や、特定の動作の強化に役立ち、補助的なトレーニングとして位置づけて行うことをおすすめします。
効果的なフィジカルトレーニング❸ロードワーク
フィジカルトレーニングと言えば筋トレやウェイトトレーニングを思い浮かべるかもしれませんが、ロードワーク(走ること)も重要なフィジカルトレーニングの一つです。
ロードワークにはさまざまな方法があり、それぞれ異なる効果があります。
短距離ダッシュ
長距離を走ることで、筋持久力を高め、心肺機能を向上させ、最大酸素摂取量を増やすことができます。
一方、短距離ダッシュは瞬発力と身体のスピードを向上させます。
インターバルトレーニング
インターバルトレーニングも有効です。
たとえば、ボクシングの試合を想定して、3分間全力でダッシュし、1分間休憩する方法や、短いダッシュを繰り返す方法があります。これにより心肺機能が向上し、スタミナと回復力を高めることができます。
負荷をかけたロードワーク
さらに、階段ダッシュや坂道ダッシュなどの負荷をかけたトレーニングもあります。坂道や階段の上り下りは、脚の筋肉を効果的に鍛え、特に太ももやふくらはぎの筋力をつけるのに役立ちます。
ボクシング初心者から中級者まで!段階別フィジカルトレーニングメニュー
初心者向けフィジカルトレーニングメニュー
初心者向けのフィジカルトレーニングメニューをいくつか紹介します。
上半身トレーニング
- 腕立て伏せ- 肩幅で脇を締めて行う方法と、肩幅の倍くらいの幅で脇を開いて行う方法があります。どちらも2〜3セット行い、キツくなるまで続けます。上級者はジャンプを加えることで強度を増すことができます。
- 懸垂- 可動域を大きく取りながら行います。これもキツくなるまで2〜3セット続けます。
下半身トレーニング
- フロントランジ- フロントランジは、肩幅に足を開いて立ち、片足を前に踏み出して両膝を90度に曲げながら体を下げます。背筋を伸ばし、膝がつま先を越えないように注意し、元の位置に戻ります。これを左右交互に繰り返します。
- ワイドスクワット- ワイドスクワットは、足を肩幅より広めに開き、つま先を外側に向けて立ちます。背筋を伸ばしたまま、太ももが床と平行になるまで膝を曲げ、ゆっくり体を下げます。かかとに力を入れて元の姿勢に戻り、これを繰り返します。キツくなるまで2〜3セット行います。
初心者の方は上記の下半身トレーニングを1セット10〜12回×3セットを目標に行いましょう!
コアトレーニング
プランク-プランクは、うつ伏せになり、肘を肩の下につき、つま先で体を支えます。頭からかかとまで体を一直線に保ちながら、腹筋と背中に力を入れて姿勢をキープします。時間を決めてこれを維持します。 キツくなるまでキープし、2セット行います。
姿勢やフォームが非常に重要です。効果を感じられない場合は、フォームを見直してみましょう。
これらのトレーニングを続けることで、ボクシングに必要な基礎体力や筋力の土台になります。最初は基本的なトレーニングから始め、徐々に様々なトレーニングを取り入れていきましょう!
中級者向けフィジカルトレーニングメニュー
このメニューは基礎がしっかりしている方向けですので、初心者の方はまず基本から始めてください。
(※土台ができていない方が行うと怪我に繋がる可能性があります)
下半身トレーニング
- ブルガリアンスクワット- 重りを持つことで負荷を加え、ジャンプを交えることができれば更に効果的です。
- サイドジャンプ - スケートのように横にジャンプし、体をひねる動作を繰り返します。慣れてきたら重りを持って挑戦してみてください。
上半身トレーニング
- ジャンプ腕立て伏せ- 通常の腕立て伏せにジャンプを加えて行います。手首を使ってしっかり全身でジャンプすることで、より高い負荷をかけます。
- 綱登り - ロープを使って手だけで登るトレーニングです。肩甲骨を動かすことを意識して行いましょう。
- メディシンボール投げ- 全身を使ってメディシンボールを投げるトレーニング方法です。ボクシングのフォームを取り入れたり、全身をひねる動作でメディシンボールを投げます。大きな動きで全身を使うことがポイントです。安全に注意して、効果的なトレーニングを行ってください。
自信向上!フィジカルトレーニングがもたらすメンタルへの影響
メンタル面への影響として、フィジカルトレーニングには自信がつくというメリットがあります。厳しいトレーニングを乗り越えることで、「これだけ厳しいことを乗り越えたのだから、絶対に負けない」という強い気持ちにつながり、自信が生まれます。
力がつけば「力では絶対に負けない」と自信を持って挑めますし、スタミナがつけば「どれだけ頑張っても大丈夫だ」と積極的に行動できるようになります。
不安な気持ちがパフォーマンスに影響する?
「スタミナが尽きたらどうしよう」「疲れたらどうしよう」という不安を抱えながらボクシングをするのとは、パフォーマンスは全く異なります。
フィジカルトレーニングをしっかり行うことで自信がつき、パフォーマンスも向上します。
そのため、筋トレやロードワーク、ウェイトトレーニングなどのフィジカルトレーニングは積極的に行うべきだと僕は伝えています。
ボクシングに必要なフィジカルトレーニングまとめ
- 長距離を走ることで、筋持久力、心肺機能、最大酸素摂取量が向上する
- ダッシュを取り入れることによって体の瞬発力や回転力が鍛えられる
- 長距離と短距離を合わせて行うことが効果的
- 筋トレは自重トレーニングから始めるのがオススメ
- 多関節種目のトレーニングを中心に行い、補助的に単関節種目のトレーニングを行う
- 初心者はフィジカルで土台を作ってからトレーニングを増やしていくのがオススメ
- フィジカルトレーニングをすることで自信がつきメンタルも鍛えられる
今回はボクシングにおけるフィジカルトレーニングについてお伝えしました。能力を向上させるためには限界突破を繰り返すことが大事です。フィジカルトレーニング(ロードワーク)でベースとなる体、体力をしっかり作って基本を反復練習しましょう!体に染み込ませ、実戦につなげてください!
最後に
フィジカルトレーニングには多くの理論があり、トレーナーによっても推奨するメニューや方法が異なります。ウェイトトレーニングを重視するか、SAQトレーニングに力を入れるかは、あなたの目標や体質によっても変わってきます。そのため、信頼できるトレーナーの指導のもと、自分に合った方法を選び実践することが大切です。
特にボクシングでは、多関節種目や下半身と上半身を連動させたトレーニングが効果的です。これを取り入れることで、より高いレベルでのパフォーマンスが期待できます。
さらにボクシングのスキルを向上させたいと考えているなら、パーソナルトレーニングでフィジカルの応用的なトレーニング方法まで学んでみませんか?興味があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。