【実戦練習|スパーリングについて】|ボクシング講座
こんにちは!椎野です!
今回は【実戦練習|スパーリングについて】話していきます!
スパーリングは、試合のように実際にパンチを当てる、一番試合に近い練習です。これまで、シャドーボクシング、ミット、マス、いろいろな実戦練習について話してきましたが、それの最終チェック、最終確認としての練習で、試合で練習の成果を出せるようにするための練習です。一番試合に近い感覚なので、実際の試合を想定してスパーリングをするというのがスタンダードかなと思います。
スパーリングをやり始めの頃は、何も考える余裕がないと思うので、あんまり考えすぎずに全力でやるのが大事だと思います。少しずつ余裕が出てきたら、今日のスパーリングはここを意識してやってみよう!などと考え、その意識するポイントをスパーリングで出せるようになると、だいぶ上達していると思います。
パンチをもらわずに当てるというのがボクシングの理想、基本なので、しっかりディフェンスして、しっかりパンチを打って、練習したことを出し切れるようにやってください。スパーリングはダメージがたまるので、普段はそんなにやらなくてもいいと思います。
選手は、試合が近くなってきたら週2〜3回やっていくのですが、パンチをもらう選手は、そのペースだと試合までに壊れてしまいます。大きいグローブでヘッドギアを付けても脳は揺れます。表面的にも骨にも負担はかかるし、怪我をしたり、打たれ弱くなったりもするので、ディフェンスができていない選手は、マスボクシングを増やしてディフェンスの基礎を作ってからスパーリングに臨むべきだと個人的には思います。
今、プロのトップに行くのはアマチュア出身の選手が多いのですが、アマチュアのチーム(高校や大学など)はスパーリングはそんなに多くないです。試合が近くなったら週1回やるかどうか程度です。その代わり、ほとんどのチームはマスボクシングを毎日かなりのラウンドを行います。それで基礎的な技術、駆け引き、ディフェンス、こういったところの基礎をしっかり作り上げています。だからこそスパーリングをそんなにやらなくても試合が強かったりするので、個人的にはスパーリングよりマスボクシングの方が大事だと思います。
ただ、スパーリングを全くやらないというのも、お勧めしません。スパーリングは、試合に近い感覚の練習なので、試合に挑むメンタルコントロールの練習、ウォーミングアップの仕方を試したり、試合前の最終確認に短いラウンドの練習を行ったりするのも重要な練習になると思います。
マスボクシングよりもスパーリングの方がダメージや体への負担は強いので、実際の試合に近い疲労感があります。例えば、プロの選手だと一番長くて12Rあります。12Rのスパーリングがどのくらいきついのか、一回やると感覚がつかめると思うので、僕の担当してる選手で、12Rの試合があるときは、12Rのスパーリングを必ず1回は入れるようにしています。
あとは、短いラウンド(8R・6R・4R)のスパーリングを組み合わせていきます。12回戦の選手が、4Rのスパーリングをやって意味があるのかと思うかもしれませんが、4Rのスパーリングは例えると短距離走です。短距離走が遅い選手は、長距離走で早く走ることはできません。50m10秒台でしか走れない人と、50m6秒台で走れる人に、10km40分で走れと言った時、どちらが成功する確率が高いと思いますか?短距離が早い人の方が可能性が高そうですよね?
4Rのスパーリングは、スピードやテンポ、リズムの早い実戦を身につけるためにも行います。短いラウンドで相手を見極める、短いラウンドで自分のペースをつかむ練習をするのに最適だと思います。
実際の試合のラウンド数でのスパーリングは、1回やっておくとメンタル的な安心感が持てますし、短いラウンドのスパーリングは、身につくものが違ってくるので、どちらもやっておいた方が良いです。スパーリングの練習で大事なのは、ダメージをためないこと、試合のつもりで行うにしても、パンチをもらってはいけないので、しっかりディフェンスを意識して、いかにパンチをもらわずに相手にパンチを当てるかということを意識して練習してみてください!
次記事は【筋トレ(フィジカルトレーニング)について】お話ししていきます!