
ボクシングはフィジカルだけでなく、メンタルの戦いでもあります。ボクシングの試合前、選手たちはどのような心理状態になるかのでしょうか?試合に向けての準備や日常生活の変化、そして減量や試合当日の過ごし方など、多くの要素が選手のメンタルに影響を与えます。
今回は、試合前のボクサーのメンタル変化について、僕自身の経験を交えながらお話ししたいと思います。ボクシングという競技の精神的な側面を理解することで、選手たちの戦いをさらに身近に感じて応援していただけると嬉しいです。
本記事の内容
試合が決まった時のボクサーの心理状況

ボクサーは普段から試合が決まっていない時でも練習をしています。いつ試合が決まってもいいように技術力や身体能力の向上やレベルアップを図って準備をしています。試合が決まると、通常はマッチメイクを行う会長が知らせてくれるわけですが、その時の心理状態がどういう状況になるのかについて話をしたいと思います。
試合が決まるのは試合の2、3ヶ月前くらいです。ボクサーの心理状況は人それぞれです。僕の場合、大体ぞわっとします。笑 ぞわっとするというのは武者震いのような感覚で「おお、試合が決まるのか」と緊張と嬉しさが入り交じるような感覚です。相手が決まるとさらに興奮し、僕はワクワクしますが、緊張して怖いと感じるボクサーもいます。デビュー戦の選手は特にそういった状況になることが多いです。僕は本当にワクワクするタイプで「試合決まったからやるぞ!」とスイッチオンでした。
試合に向けた準備

試合が決まると、減量や対戦相手の動画を見て戦術を考えるなど試合に向けた準備が始まります。ほとんどの選手がそうですが、試合が決まってからの練習というのは特にモチベーションが高まっていて、集中しています。
そしてボクサーに欠かせない減量ですが、僕の場合、試合の2か月前から減量を開始します。2ヶ月前から食事を変えて脂肪をしっかり減らし、最終週に集中して減量します。この時期には練習量も増えますし実戦練習も増えます。相手の対策を考えながら練習を進めていきます。
試合直前の生活と練習

試合が近づくと、人によっては他のことが手につかなくなったり、試合のことばかり考えてしまって仕事が手につかなくなるなど情緒不安定になる選手もいます。こういう選手は集中力を保つのも難しいので、誰とも話したくなくなったり、パートナーがいれば会うことも嫌になってしまう人もいます。
僕の場合でいうと、普段の生活はあまり変わりません。アマチュアを経験してたというのもあると思いますが、1週間に1回は家族との時間を作って、気分転換を図りながら練習に集中していました。息抜きが大切だと思っていたので、そういう風にコントロールしてきました。ただこれは少数派だと思います。試合のことしか考えられないというボクサーは多いので、もしボクサーをパートナーに持つ方がいたら、選手の性格をしっかり理解した上で対応していただけるとありがたいなと思います。
減量と試合直前の状態

試合直前、減量がきつくなると、練習もきつくなるので疲労も溜まってくる時期に入ります。
メンタルの状態は、恐怖心が増す人と楽しみでワクワクする人でタイプが分かれますが、僕は後者の方でした。練習が楽しくて、試合に向けて気分が上がってくるタイプです。
減量末期になると、食事制限が何より辛いので、試合が終わったら何を食べたいかばかり考えている選手も多いです。また減量期は厳しい食事制限に加え、練習もしなければならない過酷な状況に追いつめられ、イライラしている選手も多いです。
試合当日の過ごし方

計量が終わり、リカバリして試合までいつも通り家族と過ごす人もいればナーバスになって直前まで不安定になっている人もいて、本当にこれは人それぞれ違います。
僕は試合直前に1回スイッチを入れるだけで、あとは普段通りです。
メンタルの違いとパートナーの理解

選手によってメンタルのコントロール方法は異なるので、正解はありません。僕の担当している選手でいえば、吉野(修一郎)は本当に変わらないです。試合前も試合中も落ち着いていて、メンタルコントロールがすごく上手いのが吉野です。吉野のように落ち着いている選手もいれば、藤田のように、試合が決まるとスイッチが入って頭の中がボクシングで埋め尽くされる選手もいます。試合直前にスイッチが入る選手もいます。何が一番集中できるのかは選手の性格によるので、サポートする方はそれを理解してケアにあたったり、一緒に戦ってくれるとありがたいです。
まとめ

ボクサーの試合前のメンタル変化は個人差が大きく、緊張や興奮、恐怖などさまざまな感情が交錯します。試合に向けた準備や生活習慣も異なるので、家族やパートナーの理解と支えが大きな助けとなります。こうした経験を通じて、ボクサーは試合に備えています。ボクサーの心理状況について少しでも参考になれば幸いです。
ボクシングでよく聞かれる質問について
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【この記事を書いた人】
アマチュア実績全国3位(東洋大)
元プロボクサー
世界ランキング最高7位
第43代OPBF東洋太平洋バンタム級王者
ボクシング特化型パーソナルトレーナー
世界・東洋・日本チャンピオン10名輩出
キッズボクサー全国チャンピオン5名輩出
キックボクサー世界チャンピオン指導
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