こんにちは、椎野です。
ボクシングの試合において、選手が採る戦術は大きく2つに分けられます。
それが「アウトボクシング」と「インファイト」です。
これらの戦術は選手の得意な距離やスタイルに大きく影響され、試合の流れを決定づける重要な要素です。
今回は、それぞれの戦術の特徴について、実際の選手例、技術面の違いを通して、戦術比較をしていきます!
- アウトボクシングとインファイト、どちらが合ってるかわからない
- 次の試合の相手はインファイターだけどどんな所に気をつけたらいいか知りたい
- アウトボクシングとインファイトの具体的な例を知りたい
そんな方はぜひ参考にしてみてください!
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1.アウトボクシングとインファイトの定義
アウトボクシング
アウトボクシングは、遠い距離で戦い、相手の攻撃を避けながら自分の攻撃を加える戦術です。
主にフットワークを活かし、ジャブやストレートを使って相手との距離を保ち、攻撃後には素早く距離を取ることで安全圏を作ります。
ヒット&アウェイがその戦術の一つとなります。
インファイト
インファイトは、近距離での打撃戦を行う戦術です。
攻撃的なスタイルで、接近戦でのフックやアッパー、ボディブローを駆使し、相手を圧倒することを目的とします。
相手との接近を恐れず、距離を詰めていきます。
アウトボクシングとインファイトの間に存在するさまざまなスタイルがある
例えば、アウトボクシングに関しては、フットワークを使って遠い距離を保ち、遠くからフェイント、ジャブ、ワンツーを主体としたストレートパンチを中心に攻撃し、常に距離を保ちながら戦うのが基本的なスタイルです。
しかし、僕の中でのアウトボクシングには少し違った要素もあります。
攻撃的なアウトボクシングというのもあり、ジャブを突きながら前に出るスタイルです。
そして、相手が攻撃してきた際には、バックステップで距離を取って攻撃をかわすという、少し攻撃的なアウトボクシングの形もあります。
ここまで読んだ方は
アウトボクシングやインファイトもいろんな種類があるなら、その具体的な例を知りたい
という声が聞こえてきそうなので、ここからは実際の選手を例にアウトボクシングとインファイトを解説していきます。
2. 戦術の実例
アウトボクシングを得意とする選手
フロイド・メイウェザーは、序盤で非常にアウトボクシング的なスタイルを取る選手です。
フェイントをかけてジャブを突き、自分が前に出ることで後ろのスペースを使いやすくし、距離を保ちながら戦います。
相手が近づいてきたらカウンターを合わせて再び距離を取り、この動きを繰り返す戦術が特徴的です。
また、ホルヘ・リナレス選手もアウトボクシングを得意としており、技術を駆使して距離を維持しながら戦うスタイルが印象的でした。
さらに、山中慎介選手もアウトボクシングを主体とした戦い方で知られています。
インファイトを得意とする選手
インファイターの代表的な例として挙げられるのがマイク・タイソンです。
彼は近距離でのブロッキングやヘッドスリップ、ウェービングを駆使しながら、フック、アッパー、ボディブローを中心に攻撃を展開する戦い方をしています。
最近では、サウル・カネロ・アルバレスもインファイト寄りのボクシングを取り入れています。
階級を上げたことで相対的に体格が小さくなった影響もあり、より近距離での戦いを強化しています。
日本人選手とインファイトスタイル
特に日本人はガードを固めて前に出るインファイト寄りのスタイルをとる選手が多い印象があります。
アマチュア経験が少なく、プロのキャリアを積んだ「叩き上げ」の選手は、試合を重ねるごとに前に出て戦うスタイルが主流であり、インファイト寄りの戦い方をする傾向が強いと感じます。
3. 技術面の比較
アウトボクシングの技術
アウトボクシングでは、フットワーク、ジャブ、ストレートが基本的な技術要素となります。
ディフェンス面では、ガードに頼らないのが特徴で、ガードを固めることで動きが制限されるため、フットワークを主体とする選手はガードを下げたり、前に構えたりすることが多いです。
防御ではブロッキングよりもパーリングやステップワーク、スウェーバックを駆使し、遠距離で相手の攻撃をかわします。
接近された際にはクリンチワークを活用する極端なアウトボクサーもいます。
また、攻撃ではストレート系を主体としたコンビネーションが中心で、遠い距離からの攻撃を重視します。
インファイトの技術
インファイターは、近距離での戦いが主体となります。
ストレートやジャブ、ワンツーを使って距離を詰めた後、フック、アッパー、ボディブローを組み合わせたコンビネーション攻撃を展開します。
ディフェンス面では、ブロッキング、ヘッドスリップ、ウェービングといったヘッドムーブや、ガードを活用することが特徴的です。
コンビネーションもストレート系主体のアウトボクシングとは異なり、フックやアッパーを主体とした近距離での攻撃が重視されます。
4. 試合の流れを変える戦術選択
戦術は試合の流れに大きな影響を与え、勝敗を決定づける要素の一つです。
選手によって得意な距離が異なるため、まずは自分がどの距離で戦うのが得意かを意識して、スタイルや戦術を決めていきます。
5. 両戦術の融合型スタイル
ボクサーの中には、アウトボクシングとインファイトの両方を自在に使い分ける選手もいますが、例えばフロイド・メイウェザーは、相手によってどんなスタイルにも対応できる選手です。
彼はガードを下げたL字ガード(L-guard)スタイルで遠い距離で戦うことができ、いざとなればガードを固めてプレスをかけることも可能です。
試合の流れに合わせて戦術を柔軟に変えることが、試合の勝敗に大きな影響を与えるポイントとなります。
戦術の切り替えと実例
得意な距離は選手によって異なるため、まずは自分がどの距離で戦うのが得意かを意識し、戦術を決めることが重要です。
しかし、得意な距離で勝負が難しくなった場合、戦術を切り替える能力が求められます。
例えば、フロイド・メイウェザーとザブ・ジュダーの試合では、前半ジュダーのスピードにメイウェザーが劣っていたものの、メイウェザーはガードを固めてプレスをかけ、試合のペースを自分に取り戻しました。
こうした戦術変更の柔軟さが、勝敗を左右する要因となります。
戦術は柔軟性を持って選択する
アウトボクシングに特化しすぎると、アウトボクシングで負けた際に困ることになります。
逆にインファイトしかできないと、パワーで負けた時に困ることもあります。どちらのスタイルも使える方が有利です。
例えば、ゴロフキンは基本的にインファイト寄りですが、足を使ってアウトボクシングで捌くこともできます。
特にアマチュア出身の選手はアウトボクシングが得意なことが多いため、両方のスタイルを使えることが理想です。
まとめ
自分の強みや得意な距離、得意なパンチを基に戦術を選択することが大切ですが、得意なスタイルだけを続けるのはリスクがあります。
もしその戦術が通用しなかった場合に戦術を変更できるかどうかが、勝つためには重要です。
戦術変更の柔軟性を持ちながら練習することが、あらゆる相手に対応して勝つための鍵となるので、プロは意識してください!
というわけで今回は以上です。
【この記事を書いた人】
アマチュア実績全国3位(東洋大)
元プロボクサー
世界ランキング最高7位
第43代OPBF東洋太平洋バンタム級王者
ボクシング特化型パーソナルトレーナー
世界・東洋・日本チャンピオン10名輩出
キッズボクサー全国チャンピオン5名輩出
キックボクサー世界チャンピオン指導
分析と戦略を丁寧に行い、完全カスタマイズされた指導法、機能解剖学を活かした根拠ある指導法を基に、勝利に直結する唯一無二のボクシングを提供しています。
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