こんにちは、椎野です。
サウスポーとしてボクシングの試合で優位に立つためには、それ用の戦略とテクニックが求められます。
今回の記事では、基本的な立ち位置の取り方から攻撃・防御の技術、心理戦、そしてトレーニング方法まで、サウスポーが活かせる要素を解説してます。
この記事はこんな方にオススメ
- サウスポーとして戦うための具体的な戦術やテクニックを学びたい方
- オーソドックスの選手に対して優位に立つ方法を知りたい方
- サウスポーの特性を最大限に活かしたトレーニング方法を模索している方
合わせて読みたい
- 1. 1. サウスポーの基本戦略
- 1.1. サウスポーの立ち位置について
- 1.1.1. 有利なポジションを取るには
- 1.1.2. ポジショニングの取り合い
- 1.1.3. 相手の動きを制限する
- 1.2. フットワークで相手のリズムを崩す
- 1.2.1. サウスポーVSオーソドックスの戦い方
- 1.2.2. 距離感の使い方
- 2. 2. サウスポーの攻撃技術
- 2.1. サウスポーVSオーソドックスにおける後ろの手の活用
- 2.2. 相手の外側に回り込むステップ
- 2.3. 強力な左ストレートを使いこなす
- 2.3.1. サウスポーに効果的なコンビネーション
- 2.3.2. シンプルながら強力な戦い方
- 3. 3. サウスポーの防御技術
- 3.1. 正面に立たないことが重要
- 4. 4. 試合での心理戦
- 4.1. サウスポー選手の心理戦と試合展開
- 4.2. アマチュア選手との違い
- 4.3. 試合展開を作るのはサウスポーが有利
- 5. 5. トレーニングで磨くサウスポーの戦術
- 5.1. サウスポーに特化した反復練習方法
- 5.2. 距離を意識したステップ練習
- 5.3. 効果的なフットワーク練習
- 6. まとめ:サウスポーのメリットと効果的なボクシング
1. サウスポーの基本戦略
サウスポーの立ち位置について
サウスポーがオーソドックスと戦う際、まず重要なのはポジショニング(立ち位置)です。
日本ではオーソドックス(右構え)の選手が多数派のため、相手がサウスポーに慣れていないことが多い一方で、サウスポーの選手はオーソドックスと戦う機会が多いため、優位な立ち位置を理解していることが多いです。
有利なポジションを取るには
オーソドックスとの試合では、サウスポーが有利な位置を取ることで試合の流れを支配できます。
基本的に、相手の前足の外側に自分の前足を置くことがセオリーになっています。
このポジションを取ることで、左ストレートをまっすぐ打ち込みやすくなり、さらにオーソドックスの相手のパンチは防ぎやすくなります。
ポジショニングの取り合い
試合では距離感と立ち位置の取り合いになります。
サウスポーはオーソドックスに慣れていることが多いため、スムーズに有利な角度(アングル)を取りやすいのが強みです。
相手に対して斜めに立つよう意識し、左ストレートが有効な角度を常に保つことが、戦略を立てる上で大切にしてほしいポイントです。
相手の動きを制限する
サウスポーの特性を活かして有利なポジションを取れば、相手は攻撃がしづらくなるだけでなく、守備にも苦労するようになります。
こうした位置取りを常に意識することで、試合の主導権を握ることが可能です。
フットワークで相手のリズムを崩す
サウスポーVSオーソドックスの戦い方
サウスポーとオーソドックスの選手が戦うと、前足と前手が重なるため、距離感が異なります。
このため、同じオーソドックス同士やサウスポー同士の戦いに比べて、戦う距離が遠く感じやすいです。
距離感の使い方
サウスポーの選手は、オーソドックス選手と戦う機会が多いため、この距離感に慣れています。
そのため、この距離感をうまく利用して、オーソドックスの選手よりも有利に動けることが多いです。
距離が遠くなる分、ステップインの幅やツーステップ、半歩のステップからもう1歩踏み込む2段階のステップを使ってタイミングを崩すことが得意な選手も多いです。
例えば、マニー・パッキャオはステップでタイミングを崩したりするのが上手いです。
こうしたテクニックをうまく使える選手が有利に戦うことができます。
2. サウスポーの攻撃技術
サウスポーVSオーソドックスにおける後ろの手の活用
サウスポーとオーソドックスの選手が戦う場合、後ろの手を使った攻撃が非常に重要になります。
両者の前の手が重なるため、ジャブを当てにくくなります。その代わりに、前の手をうまく使うことが求められます。
サウスポーから見ると、右手で相手の前の手を払い、ジャブを使わずに左ストレートへと繋げたりすることが多いです。
後ろの手を効果的に活かすためには、前の手をうまく使うことや、ポジショニングを工夫して後ろの手の攻撃を打ちやすくすることが基本的な戦術となります。
相手の外側に回り込むステップ
サウスポーは、相手の外側に回り込むことを特に重要視します。
外側に回り込むことで、左ボディブローからの右フックなどを有効に使えます。
ワシル・ロマチェンコやジェシー・ロドリゲスのような選手は、このサウスポー特有の利点を活かし、ポジショニングや多彩なアングルからの攻撃を駆使しています。
彼らの戦い方を参考にすることで、サウスポーとしての攻撃力をさらに高めることができます。
強力な左ストレートを使いこなす
サウスポーは左利きが多いため、この左ストレートを効果的に活かすことが大切です。
タイミングを合わせたり、カウンターで左ストレートを打ったりすることで、相手に大きなダメージを与えることができます。
また、左ストレートを当てるためのポジショニングやジャブの使い方をしっかりと習得することで、戦いを有利に進めやすくなります。
サウスポーに効果的なコンビネーション
基本的なコンビネーションとして、ジャブから左ストレート、さらに左ボディブローを加える流れが効果的です。
バリエーションを持たせることで攻撃の幅がさらに広がります。👇
- ジャブで相手のガードを誘い、左アッパーで攻める
相手の注意をジャブに引きつけた後、ガードの隙間を突いて左アッパーを出すことで効果的に攻撃する。 - 左ストレートの後に右フックを組み合わせる
左ストレートで距離を詰めた後、右フックを加えることでさらなる圧力をかけ、相手の守備を崩す。
シンプルながら強力な戦い方
リゴンドーのような選手は、シンプルな戦い方で相手を圧倒します。
前の手のジャブを使って距離とタイミングを作り、左ストレートに繋げるという基本的な攻撃が非常に効果的です。
また、左ストレートに加えて、左アッパーや左ボディブローの変化を使いこなすことで、相手の予測を外し、カウンターも活用して相手を圧倒します。
リゴンドーのスタイルはシンプルでありながら、タイミングとカウンターで相手に何もさせず、試合を支配するものです。
3. サウスポーの防御技術
サウスポー選手は、オーソドックスと戦う場合、距離感が大きなポイントになります。
先述した通り、サウスポーとオーソドックスの戦いでは、前足が重なるため、距離が遠く感じることが多いです。
この距離を活かして、サウスポーはバックステップや距離で相手の攻撃を外すディフェンスを使用することが一般的です。
また、サウスポーでもファイタータイプの選手がいれば、ブロッキングやウェービング、ダッキング(頭を斜めにずらす)などを活用し、相手の攻撃をかわすことが多くなります。
正面に立たないことが重要
サウスポーにとって、相手の右ストレートを避けるためには、正面に立たないことが基本です。
オーソドックスの選手の正面に立つと、右ストレートをもらってしまう可能性が高いため、ディフェンス技術としては、常に相手の正面にいないように心がけることが大切です。
フットワークを使った守備では、まっすぐ後ろに下がるのではなく、円を描くようにサークリングやサイドステップを活用して、相手の攻撃を避けながら反撃のチャンスを伺うことが大切です。
ロープ際に追い込まれないようにしてください。
4. 試合での心理戦
サウスポー選手の心理戦と試合展開
サウスポー選手がオーソドックス選手に与える心理的影響は大きいです。
オーソドックス選手はサウスポーに慣れていないことが多いため、試合の初めに様子見をすることが一般的です。
このため、サウスポー選手は試合を作りやすい状況にあります。
アマチュア選手との違い
アマチュア選手の中にはサウスポーと戦う機会が多いため、サウスポー対サウスポーの試合にも慣れており、苦にせず戦う選手もいます。
しかし、アマチュア経験の少ないプロの選手にとっては、サウスポーの動きに対する慣れがないため、最初はどうしても距離感や攻撃のタイミングに戸惑うことが多くなります。
僕自身、アマチュアでサウスポーと戦うことが多かったので、対サウスポー戦においては多少の経験が役立った部分もありますが、それでも長身のサウスポーには特に苦手意識がありました。
試合展開を作るのはサウスポーが有利
サウスポー選手は、試合の流れを自分から作りやすいという点が強みです。
オーソドックス選手が慣れていない分、サウスポー選手は試合のペースを取ることができ、先手を取ることで相手にプレッシャーをかけることが可能です。
試合を積極的に自分から動いて試合を進めることが、サウスポー選手にとって有利に働く要因となります。
5. トレーニングで磨くサウスポーの戦術
サウスポーに特化した反復練習方法
サウスポー選手の攻撃の角度を磨くために重要なのは、シャドーボクシングやサンドバッグでまっすぐなステップばかりを使わないことです。
攻撃の角度を変えるためには、立ち位置やステップを工夫する必要があります。
例えば、シャドーボクシングでは真っ直ぐ進むだけでなく、円を描くように右回りや左回りで動きながら攻撃を行うことが効果的です。
また、サンドバッグを打つ際も、打った後に少しサイドにステップし、再度打ち込むという動きの反復を行うと、角度の変化を自然に身につけられます。
距離を意識したステップ練習
オーソドックスの選手と戦うときは、距離が遠くなることが多いため、サウスポー選手は足の動きが特に重要になります。
上半身だけで攻撃すると突っ込んでしまい、カウンターをもらう危険性が増すので、しっかりと足を使ったステップを意識することが大切です。
フットワークは攻撃と防御の両方に関わってくるので、シャドーボクシングから足と手を一緒に動かす感覚を身につけましょう。
効果的なフットワーク練習
サウスポー選手にとって、特に横の動きが多くなるので、サイドステップの練習をオススメします。
ステップを使って攻撃の角度を変え、さらに踏み込む角度を変えながら練習することが効果的です。
フットワークと手の動きが一致して、相手の出方に応じた攻撃や防御ができるようになると、試合での対応力が格段に向上します。
まとめ:サウスポーのメリットと効果的なボクシング
最後に、サウスポーとしての戦術やテクニックをしっかりと身につけることで、試合運びを有利に進めることができます。
トレーニングを重ね、試合でその効果を発揮できるよう努力を続けてください。
サウスポーならではの強みを最大限に活かして、さらに成長していきましょう。
というわけで今回は以上です!
【この記事を書いた人】
アマチュア実績全国3位(東洋大)
元プロボクサー
世界ランキング最高7位
第43代OPBF東洋太平洋バンタム級王者
ボクシング特化型パーソナルトレーナー
世界・東洋・日本チャンピオン10名輩出
キッズボクサー全国チャンピオン5名輩出
キックボクサー世界チャンピオン指導
分析と戦略を丁寧に行い、完全カスタマイズされた指導法、機能解剖学を活かした根拠ある指導法を基に、勝利に直結する唯一無二のボクシングを提供しています。
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