
こんにちは、椎野です。
今回は、三代大訓選手がアンディ・クルスとのIBF世界ライト級挑戦者決定戦に挑む一戦について、トレーナー目線での展望や戦略を整理していきたいと思います。
試合は2025年6月14日(日本時間15日)、アメリカ・ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(シアター)で行われます。
僕自身、以前に吉野修一郎選手とシャクール・スティーブンソンに挑みに行った経験があるんですが、それに近いレベルの試合です。
「世界の超トップクラスに日本人が挑む」という構図。このチャレンジにどんな意味があるのか。
Youtube解説はこちら
アンディ・クルス──“触れさせずに当てる”完成されたスタイル

まず相手のアンディ・クルスについて。
東京オリンピック金メダリストであり、世界選手権を3連覇。アマチュア時代の戦績は149戦140勝9敗というとんでもない記録を持つ、まさに“人外クラス”の選手です。
現WBO世界ライト級王者のキーショーン・デイビスにもアマ時代に3度勝利しています。
それくらいの天才。僕の中でも、オリンピック金メダリストというのは、もう人間じゃないくらい別次元にいる存在だと思っています。
プロに転向してからも、デビュー戦から10回戦をこなし、現在5戦5勝(2KO)無敗。
スタイルは「当てさせずに当てる」ボクシング。フットワーク、反応、スピード、ディフェンス、すべてが一級品。
当たらないし、当ててくる。やってる方からすると「これどうすればいいの?」って感じになるような選手です。
三代大訓──正統派の技巧派が挑む“魔境ライト級”

三代選手は、日本の元ライト級王者で、プロ戦績は19戦17勝(6KO)1敗1分。
基本をしっかり押さえたジャブを軸とした綺麗なボクシングをする選手です。アウトボクシングに長けていて、安定感のあるスタイルですね。
ただ今回の相手は、その“綺麗さ”が通用しない相手。
正面からのジャブの差し合い、タイミング勝負でやり合おうとすると、クルスの方が上手。スピードも精度も段違いです。
クルスにとって、三代選手のスタイルは「アマチュア時代に何百回も相手してきたタイプ」として処理される可能性がある。
このままだと想定内で終わってしまうリスクもある、そんな印象があります。
僕がもし三代陣営のトレーナーだったら、こう戦わせます

ここからは、僕が仮に三代選手のセコンドに入っていたとしたらという前提で、具体的な戦略の組み立てを考えてみます。
ジャブの差し合いは避ける
クルスの得意距離でジャブ勝負を挑むのは、分が悪すぎます。
こちらは顔面ばかりを狙わず、体や胸元に確実に当てにいく。それだけでも印象が変わるし、打ち終わりに合わせる形で相打ちを取りにいくのが有効です。
プレッシャーをかけ続ける
足のスピードでは勝てないので、下がらずにじりじり詰めていく戦い方が必須です。
精神的な圧力も含めて、前に出続けることで相手に“楽させない展開”を作る。
体を叩く
クルスは顔面のディフェンスがうますぎるので、無理に当てに行くと空振りを誘発されます。
それなら体を広く叩くことで、少しずつ削っていく。
特に序盤は、“削ること”を優先して展開をコントロールしたいですね。
向こうが出る瞬間を狙い撃つ
「来るなら撃つ」姿勢を明確に持って、相手のアクションすべてに反応して返すつもりで行く。
それによって、クルスが手を出しにくくなる展開も生まれてきます。
重要なのは、心理戦に負けないこと

この試合、三代選手が勝つためには駆け引きで負けないことが重要になってきます。
クルスはアマ3分3ラウンドの中で相手を読み切って勝ち切る、そういう勝負をしてきた選手。
つまり情報処理と判断の速さが超一流なんです。
逆に言えば、そこに飲まれてしまうと、試合はすぐに終わってしまう。
序盤でフェイントに引っかかって下がる展開になってしまうと、試合全体を持っていかれる可能性もあります。
だからこそ、下がらずに淡々とやりきれるか。心理戦に耐えられるか。
ここが最大の勝負ポイントになると思います。
世界の超トップ vs 日本の技巧派

ライト級は今、完全に“魔境”です。
シャクール・スティーブンソン、ジャーボンテイ・デイビス、ワシル・ロマチェンコ、キーショーン・デイビス、そしてアンディ・クルス
全員が、次元が1段階上がってるような選手たち。
でも、だからこそ、その舞台に日本人が挑みにいくということ自体がロマンだし、誇れることだと思っています。
吉野の時もそうでしたが、こういう試合は「やるか?」と聞かれて「やる」と即答できるかどうか。
それが一流かどうかの分かれ道なんじゃないかと、僕は思っています。
最後に──三代選手、応援してます!

三代選手にとっては戦略すべてがハマっても難しい試合だと思います。
でも、そういう試合に挑む姿こそ、選手として一番かっこいい瞬間なんじゃないでしょうか。
自分の得意なボクシングを出すだけじゃなく、
相手の土俵に乗らずに削り合いに持ち込めたらチャンスはゼロじゃない。
僕自身、今回の試合は本当に楽しみにしています。
三代選手、思い切って、悔いのない試合をしてきてください。
応援しています!
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【この記事を書いた人】
アマチュア実績全国3位(東洋大)
元プロボクサー
世界ランキング最高7位
第43代OPBF東洋太平洋バンタム級王者
ボクシング特化型パーソナルトレーナー
世界・東洋・日本チャンピオン10名輩出
キッズボクサー全国チャンピオン5名輩出
キックボクサー世界チャンピオン指導
分析と戦略を丁寧に行い、完全カスタマイズされた指導法、機能解剖学を活かした根拠ある指導法を基に、勝利に直結する唯一無二のボクシングを提供しています。