
こんにちは。
最近トレーナーからの研修依頼が増えてきている椎野です。
本日はとあるご相談にお答えしていきます。

今までトレーナーとして働いてきたけど、何を指針にして指導をしていけばいいのかわからなくなってきました。
一人一人に合わせる指導力もなく、自信がないのを隠すために根性論ばかり言ってしまいます。
選手にとって意味のある指導をしていくにはどうしたらいいですか。
「自分が自信がないから根性論ばかり言ってしまう事」を認識している時点で素晴らしいトレーナーです。
確かに根性論のみで選手が強くなれるかと言ったら、選手が天才でない限り難しいところはありますが、指導の基本を抑えることで、選手自身が成長していく事を後押しすることができます。
今回は、根性論を使わない指導の基本について、あることと絡めてお話ししていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
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ボクシングトレーナーが教える〇〇と通ずる指導の基本とは

〇〇の答えは「子育て」です。
相談者の方はお子さんがいらしたので、今回は子育てと絡めて指導の基本についてお話しします。
子育てとトレーナーとしての指導は、意外なほど多くの共通点があります。
相手がこどもか大人かというところで年齢は違いますが、どちらも成長を見守り、サポートする立場にあるという点で以下の共通するものがあります。
- 個性を尊重し成長を見守る
- 信頼関係を築く
- 無理に急かさず適切なタイミングを見極める
- フィードバックは愛情を持って伝える
- 成功よりも過程を大切にする
- コミュニケーションを通じて相手の理解を深める
- 厳しさと優しさのバランスを考える
❶個性を尊重し成長を見守る
我が子が産まれると、周りの子と関わる過程で、発達の段階や性格、得意なことや苦手なことが全然違うことがわかると思います。
同じ我が子でも、兄弟で性格や特性が全く違う、なんてこともよくある話です。
子育てでは、そんな子どもの個性に合わせてサポートし、その成長を後押しするよう親として行動します。
同じように、トレーナーも選手の個性を尊重し、その選手が持つ強みに目を向けることが重要です。
"他の選手がこのスタイルで成功したから"と言って、強制的に特定のスタイルを押し付けたり、"トレーナーの自分から見てこのスタイルが合っているはずだ"と決めつけてしまうと選手は苦しくなってしまいます。
トレーナーはアイディアは出すけれど、最終的には選手が自分で選び、成長できる環境を作ることが大切です。
❷信頼関係を築く
親と子の信頼関係が重要であるように、トレーナーと選手の間にも信頼関係が欠かせません。
子どもは親に信頼されることで自己肯定感を持ち、自信を育み、自分で考えて行動していけるようになります。
選手も、トレーナーが自分を信じてくれていると感じることでモチベーションが上がり、自信を持ってトレーニングに取り組むことができます。
信じてくれていると感じてもらうためには、日頃から「選手を否定しないこと」を意識してください。
❸無理に急かさず、適切なタイミングを見極める

子どもが自分のペースで成長するように、選手も一人ひとりの成長するペースがあります。
プロの世界は「勝つ」という結果が大変重要になってくるわけですが、焦って結果だけを求めて、まだ耐えられないような負荷をかけても怪我をしてしまうだけです。
世界チャンピオンがやっているトレーニングをランキングに入ったばかりの選手にやっても同じように実力がつくわけではなく、むしろ成長を阻害する可能性もあります。
選手の気持ちと体が追いついた適切なタイミングで新しいトレーニングを取り入れるなり、少しずつステップアップしていくことが大切です。
子育てでも「成長を待つ」ことが重要なように、トレーニングでも選手が自信を持って次のステップに進む準備が整うまで見守ることも時には大切です。
❹フィードバックは愛情をもって伝える
子どもが好ましくない行動をした時、理由や事情を言わずにただ叱責すると頭の中で「怒られて怖い。でも何が悪いのかわからない。」という状況が起こります。
感情的になっている時に、落ち着いてダメな理由を説明するのは難しいかもしれませんが”理解できない”という現実は変わらないので、理由を話す大切さを知っておくことが大切です。
感情的に「怒る」のと、相手を想って「叱る」のでは意味が違います。
そしてこれはトレーニングにおいても同様です。
練習で上手くいかない時や、自信をなくして練習に身が入っていない時、厳しい指摘や批判は避けてください。
選手が「次にどうすればよいか」を理解できる形でフィードバックを与え、改善の糸口を提示することが重要です。
相談者のように、ボクシングスキルの指導に自信がなかったとしても、練習に身が入らない気持ちに寄り添って「一緒に考えていこう」と声をかけることはできるはずです。
具体的な解決策を必ず提示しなくも良いので気持ちに寄り添う声かけができたらベストです。
❺成功よりも過程を大切にする
子育てでは、何を成し遂げたかよりも成長の過程で努力した事を認め「頑張ったね」と声をかけることで、こどもが努力し続けること自体を好きになり、自分の意思で成長しようとする力を育むことができます。
何事も、初めからうまくできる人なんていません。
大切なのは、トライアンドエラーを繰り返し、目標達成まで努力し続けられるかどうかということです。
トレーナーも同じように、結果だけを見るのではなく、選手が努力し、日々の練習で成長していることに注目し、それを褒めてください。トレーナーのこうした姿勢が、選手にとってモチベーションとなります。
❻コミュニケーションを通じて、理解を深める
子育てでも、子どもが何を考え、どう感じているかを理解するためにコミュニケーションが不可欠です。
コミュニケーションをたくさんしておくと、不思議とこちらの言う事をすんなり聞き入れてくれる機会も多くなります。
普段から自分の気持ちを聞いてくれている、自分のことをわかってくれているという安心感から相手の意見を聞きやすくなるのです。
トレーナーも、選手が抱えている悩みや目標を理解するために、しっかりと話を聞き、気持ちに寄り添うことが大切です。
選手の気持ちを聞くと言うのは、実は勝率を上げるために結構影響してきます。
例えばスパーリングにしろマスボクシングにしろ、外から見た印象と、リングの中で動いて感じる相手の印象は全く異なるものなので、こちらがどんなに建設的なアドバイスをしたところで、選手がしっくりきていなければそもそも改善の余地がないからです。
普段から選手が自分の意見を言いやすいよう、ぜひコミュニケーションをとる意識をしてください。
初めは「自分から挨拶をする」程度でも良いです!
❼厳しさと優しさのバランス
子育てでは、時には厳しさが必要な場面もありますが、愛情が伴っていなければ、いつか子どもの心は離れてしまいますよね。
自立している分、大人の心は離れるのが早いので要注意です。
トレーナーとしても、選手が「チャンピオンになりたい」と言う夢に向かって進むために、厳しい指導が必要な時がありますが、それが選手の成長に繋がることをしっかりと理解してもらうことが大切です。
普段はしっかり選手の気持ちに寄り添い、本音のコミュニケーションが取れる信頼関係を作ってください。
選手の心がめげそうな時に、ハッパをかける意味で、または最後の力を振り絞れるように厳しい言葉をかけてあげるなどのメリハリができると良いでしょう。
優しさと厳しさのバランスをとることで、最終的に選手の成長を促すことができます。
ボクシングトレーナーが教える子育てから学ぶ指導の基本:まとめ

子育てとトレーニング指導は、どちらも相手の成長を見守り、信じてサポートすることが中心にあります。
今回は、トレーナーとしての指導に自信を持てず、根性論に頼ってしまう相談者の方に対し、指導の基本を子育てと関連づけてアドバイスしてきました。
指導において重要なのは、選手の個性を尊重し、信頼関係を築きながら、無理せず適切なタイミングで成長をサポートすること。
さらに、愛情を持ってフィードバックをし、結果よりも過程を大切にし、コミュニケーションを通じて選手の事を理解しようとする姿勢が大切です。
厳しさと優しさのバランスを保つことで、最終的に選手の成長を促すことができます。
選手を強くするためには、根性論だけに頼らず、個性を尊重し、信頼関係を築きながら成長を見守ることが大切です。
子育てのように、一人ひとりに寄り添い、愛情を持ってサポートすることで、選手は自信を持って進んでいけます。
結果的にそれが勝ちへと繋がるので、トレーナーの方はぜひ意識してみてください。
というわけで今回は以上です。
技術は練習を続ければ伸びていきます。
でも、結果が出せるかどうかは“考え方”や“向き合い方”で大きく変わります。
「このままでいいのかな」「もっと成長できるはずなのに」
そんなふうに感じた時は、一度マインドを整える時間を取ってみてください。
僕もこれまで、そういうタイミングを経験した選手たちを何人も見てきました。
必要なのは、迷った時に支えになる考え方と、前を向く力です。
自分をもう一段階引き上げたいと思った時は、こちらもぜひ参考にしてください。
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【この記事を書いた人】
アマチュア実績全国3位(東洋大)
元プロボクサー
世界ランキング最高7位
第43代OPBF東洋太平洋バンタム級王者
ボクシング特化型パーソナルトレーナー
世界・東洋・日本チャンピオン10名輩出
キッズボクサー全国チャンピオン5名輩出
キックボクサー世界チャンピオン指導
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