井上尚弥選手とマーロン・タパレス選手の試合にどちらが勝つかな?プロの予想が聞きたい
こういった疑問に、ボクシングキャリア20年、現プロボクシングトレーナーの椎野がお応えします。
本記事の内容
ライトフライ級で世界王者となり、飛び級でスーパーフライ級世界王者、そしてバンタム級では日本人初の主要4団体統一。スーパーバンタム級に転向し、ここでも4団体統一なるかという日本人前人未到の井上尚弥選手。
次戦の相手はWBAスーパー、IBFスーパーバンタム級の2冠王者であるフィリピンのマーロン・タパレス。
今回は2023年12月26日(火)に開催のWBC・WBO・WBA・IBF 世界スーパーバンタム級王座統一戦 井上尚弥VSマーロン・タパレスについて勝敗予想していきます。
※本記事では井上尚弥選手とマーロン・タパレス選手の特徴を踏まえた上で、勝敗・どのような試合展開を繰り広げるか予想していきます。
井上尚弥、マーロン・タパレス両選手について
井上尚弥選手
- 本名:井上尚弥
- 愛称:モンスター
- 年齢:30歳(2023年10月時点)
- 身長:165cm
- スタイル:オーソドックス
- 出身:神奈川県座間市
- 戦績:25戦25勝無敗
- 階級:スーパーバンダム級
マーロン・タパレス選手
- 本名:マーロン・タナン・タパレス
- 愛称:ナイトメア(悪夢)
- 年齢:31歳(2023年10月時点)
- 身長:163cm
- スタイル:サウスポー
- 出身:フィリピン
- 戦績:40戦37勝
- 階級:スーパーバンタム級
井上尚弥選手が対戦する相手、マーロン・タパレス選手。日本人との対戦経験もあり、2015年には京都で大森将平選手にKO勝ち。2019年IBFスーパーバンタム級暫定王座決定戦では、僕も現役時代対戦した(僕がKO負け)岩佐亮佑選手にKO負けしたが、2021年12月には、三迫ジムにいた勅使河原弘晶にKO勝ちし、IBFスーパーバンタム級王座への挑戦権を獲得。元世界王者でレジェンドの山中慎介さんのスパーリングパートナーで呼ばれていたり、日本人には馴染み深い選手です。
タパレス選手がスーパーバンタム級にあげてWBAスーパー・IBFスーパーバンタム級王者ムロジョン・アフマダリエフに勝った時は正直驚きました。
アフマダリエフがスーパーバンタム級で一番強いチャンピオンだと思っていたので、それに勝ったということでタパレス選手の底力を感じました。
タパレス獲得タイトルは以下の通り。
マーロン・タパレス選手の獲得タイトル経歴
・フィリピンGABライトフライ級王座
・WBOアジア太平洋バンタム級王座
・WBO世界バンタム級王座
・WBA世界スーパーバンタム級スーパー王座
・IBF世界スーパーバンタム級王座
マーロン・タパレス選手はフィリピンのプロボクサーで40戦のキャリアを持つベテラン。
さらにアフマダリエフに判定勝ちして世界2階級制覇王者となりました。
どのような戦い方をするのか、過去試合映像から見てみましょう。
【動画】マーロン・タパレス選手の過去試合映像
2019年1月(ロベルト・カスタネダ選手にKO勝ち)
2019年12月(岩佐亮佑選手にKO負け)
2021年12月(IBF世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦で勅使河原弘晶選手にKO勝ち)
僕が見た感じだとフィリピンのボクサーに多い思い切りパンチを振ってくるタイプなのですが、フットワークに乗せてコンビネーションも打ってくる選手。
思い切りの良さに、バランスの良さやコンビネーションもプラスされていて、しかもサウスポーという、厄介な相手だと思います。
しかしタパレス選手が岩佐選手にKO負けしているところなどから、打たれ強いイメージはあまりないので井上選手のパンチには耐えられないのではないかと思います。
ロングレンジは苦手な印象はあります。
フック系の距離が得意で、右フックと左のストレートが力強く打てる距離やポジションが得意なイメージです。
勅使河原との試合で、テクニシャンというより攻撃力重視という印象を受けましたが、バランスの良さと思い切りの良さを併せ持ち、パンチもスピードもあり、世界レベルで強い選手だと思います。
井上尚弥選手が前戦で対戦した、フルトン選手と比べると技術的にはフルトン選手の方が上だと思いますが、タパレスの方が攻撃力や怖さはあると思います。頭の振りにパンチを合わせていくという柔らかさにフットワークも相まっていて、日本人のスタイルからするとやりづらいタイプです。
井上尚弥VSマーロン・タパレス勝敗予想
予想は、高確率で井上尚弥選手のKO勝ち。
井上尚弥選手とマーロン・タパレス選手は基本性能が違う印象。
一番の違いはスピードとパンチ力。
タパレス選手もパンチ力はありますが、一瞬一瞬の攻防のスピード感、キレ、ここに大きな差があります。
また、タパレス選手は基本的にフック系の選手。基本的にフックよりストレートの方が速いので、井上選手のストレートパンチが優位に働くのではないかと予想しています。井上選手の方が戦える射程距離が長い印象です。
試合展開
井上選手の踏み込んでワンツーで、5Rまでに倒れるのではないかと思います。早いラウンドでのKO勝ちの予想です。
試合展開としては、井上選手がフェイント(前の手)を駆使して距離をキープ。
(タパレス選手はもともとスーパーバンタムより下の階級にいた選手なので、大きい選手ではない分、井上選手が距離をキープするのは容易いと思います。)
前回戦ったフルトン選手より距離は近くなる、また、サウスポーなので噛み合わせはありますが、井上選手がサウスポー相手にも全く苦にしないイメージがあるので、普通にフェイントしてワンツーが当たると思います。
タパレス選手の反撃があるとしたら、相手のパンチに怖がらずに振ってくるところが脅威ではあるので、そこで相打ちでもらってしまうところです。
しかし、スピード差がかなりあるので、前半の集中力がある井上選手には当たらない、もしくは空回りさせられて井上選手のワンツーでKOと言うのが予想です。
井上尚弥VSマーロン・タパレスの試合を生放送で観る方法
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過去試合(フルトン戦・バトラー戦)はLemino、ドネア戦はAmazon Primeで、それぞれフル映像が見逃し配信されています。
最後に
おそらくほとんどの方の予想が井上選手のKO勝ちということで、僕の予想も代わり映えしなくて申し訳ないです。
序盤KOでスーパーバンタム級4団体統一し、その次はネリ、カシメロあたりとの話もありそうですが問題なく勝ち続けるのではないかと思います。
4団体統一してどこかのタイミングでフェザー級にあげて、新たな挑戦になるのかなと思います。
一ボクシングファンとして、日本人ボクサーが世界でどこまで行くのか楽しみです。