
こんにちは、ボクシングトレーナー椎野大輝です。
サウジアラビアで行われた WBO 世界ウェルター級タイトルマッチ、
デビン・ヘイニー vs ブライアン・ノーマン を観ました。
この日は他にも注目カードがあって、
僕の中でのメインはバム・ロドリゲス vs マルチネスだったんですが、
同じ興行だったのでヘイニー戦もしっかり観ました。
最初に言いますが、僕は ノーマン応援 でした。
パワーで勝つかなと思っていたし、どっち予想?と聞かれたら
僕はノーマンと言っていました。
でも――
ヘイニーが上手かった。
そして正直、つまらなかった。
勝ち方に文句はないです。しっかり勝っている。
ただ、クリンチも多いし、勝ちに徹するスタイルで、
僕個人はあまり好きじゃないタイプのボクシングでした。
ノーマンの方が見ていて面白い。
ただ、まだ不器用で荒さもある。
この試合はその差がハッキリ出たと思います。
youtube解説はこちら
■ 2Rのダウン:軌道に慣れる前に効かされた

2ラウンドでヘイニーが左フックからの右でダウンを奪いました。
あれは多分その前の一発で効いていて、
その後の追撃で膝をついたという流れだと思っています。
ヘイニーはパンチのキレがあって、
スピードもあるから“一瞬で効く”。
軌道に慣れる前にもらっちゃう感じですね。
あの場面はヘイニーの嗅覚の良さがしっかり出ていました。
■ ノーマンが攻めきれなかった理由

距離が合っていない
突っ込みすぎてクリンチで潰される
ノーマンのパワーは本物です。
佐々木尽選手を倒した時もそうですが、破壊力は間違いなくある。
ただ今回の試合では、攻撃が全く噛み合わなかった。
特に大きかったのはこの2つです。
① 距離のコントロールで止められていた
ジャブの差し合いの段階でヘイニーの距離にされていて、
そこからノーマンが攻撃を作れなかった。
ヘイニーの方が射程も長いしスピードもある。
この時点でノーマンはだいぶ苦しかったと思います。
② 突っ込みすぎ → クリンチで無効化される
ノーマンは距離を詰める時にブレーキが効かず、
そのまま突っ込んでしまって、密着 → クリンチ。
これを何度も繰り返されると、
攻撃の回転を上げる前に全部潰されてしまいます。
「もう少し詰めてから打てたら当たる場面はあった」
「ボディももっと叩けた」
というのが僕の率直な感想です。
でも今回は荒かった。
ヘイニーに空回りさせられた試合でした。
■ ヘイニーは強い。でも面白くない

改めて言いますが、ヘイニーは強いです。
間違いなく一流。
ただ、僕は見ていてあまり面白くない。
スピード、リーチ、足、ジャブ…
全部揃っているし、勝ちに徹した動きも完璧。
相手からしたら“厄介極まりない”選手です。
でも、人気が出るスタイルではないと思っています。
ウェルター級に長くいた
ジャロン・エニスが残っていたら、
あの階級の本物の怪物と比べれば
ヘイニーはまだ勝てないと思っています。
■ ウェルター級は“F1マシン”

日本人が挑む上で必要なもの
試合を観ていて改めて感じたのは、
世界ウェルター級の壁の厚さ。
まず身体能力で負けないこと。
これは絶対条件。
練習環境も違う。
アメリカには強くてデカい選手が山ほどいる。
そこで揉まれて上がってくるのがウェルター級です。
僕はよくこういう例えをします。
「F1レースにスポーツカーで出ても勝てない。」
車体(身体能力)が違えば、
どんな技術も通らない。
でも、
パワーとスタミナは“後から作れる”。
根性で押し切る試合もあります。
だから日本人が絶対無理とは思っていないです。
■ 佐々木尽は「ヘイニーいける」と言った

相性は確かにある。でも…
佐々木尽選手が
「ヘイニーとは相性いいと思う」
と言っていました。
これについては僕も、
「ボクシングに相性は間違いなくある」
と思っています。
ただし、現実的に言うと
「ポイントアウトされる可能性は全然ある」
という見方もしています。
ヘイニーのジャブは映像で見るより全然当たる。
タイミングが上手い。
映像で分からない強さがたくさんあります。
■ 最後に:世界の中量級は本当に厳しい

この試合を観て、
改めて世界ウェルター級の厳しさを感じました。
強いやつは本当にいくらでもいる。
その中で勝ち残るのは簡単じゃない。
でも、
「日本人に無理」と言われても、
「俺は無理って言われてない」
くらいの勢いで挑む選手は強い。
佐々木尽選手にもその熱量があると感じました。
僕自身もこの試合を通して、
ウェルター級の現実と、
世界の一流がどんなものかを再認識しました。
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【この記事を書いた人】
アマチュア実績全国3位(東洋大)
元プロボクサー
世界ランキング最高7位
第43代OPBF東洋太平洋バンタム級王者
ボクシング特化型パーソナルトレーナー
世界・東洋・日本チャンピオン10名輩出
キッズボクサー全国チャンピオン5名輩出
キックボクサー世界チャンピオン指導
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