
2025年6月8日、有明コロシアムで行われたバンタム級世界王座統一戦。
WBC王者・中谷潤人とIBF王者・西田凌佑による、日本人同士の頂上決戦は、6ラウンド終了TKOという衝撃的な幕切れを迎えました。
序盤から圧力をかけ、精神的にも西田選手を追い込んだ中谷選手。
一方で、技術と覚悟をもって応戦した西田選手も、その強さを確かに示しました。
破壊と観察、そして判断と非情──ボクシングの本質が凝縮されたような一戦だったと思います。
今回はトレーナーとしての視点から、この激闘を振り返り、何が勝敗を分けたのかを解説します。
ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
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想像を超えた初回の“強襲”

正直に言えば、僕自身、試合前は西田選手が勝つ可能性も0ではないと感じていました。
距離感に優れ、カウンターも鋭く、ディフェンス技術の高い選手。
中谷選手にとっても簡単な相手ではないだろうと見ていたからです。
とはいえ、試合開始のゴングが鳴ってからの展開は、完全に想定を超えていました。
中谷選手がいきなり強く前に出て、激しい手数で攻め込んできた。
あの荒々しさ、思い切りの良さには僕も驚かされました。
ジャブで徐々にプレッシャーをかける展開は予想していましたが、あれほどまでにガンガン前に出てくるとは、正直予想外でした。
ただ、結果としてその強襲が試合の主導権を握るきっかけになったのは間違いありません。
中谷選手が序盤からダメージを与えにいき、ペースを奪っていった。
精神的にも“圧”をかけていたと思います。
中谷選手は格闘技としてのボクシング、西田選手はスポーツとしてのボクシングをしているような印象の差がありました。
“潰すボクシング”と戦略的冷酷さ

今回の中谷選手は、“倒す”というより“削る”“壊す”という意図が見えるボクシングでした。
相手の急所だけでなく、腕やガードの上からも容赦なく叩く。
それによって、西田選手のガードや動きが徐々に鈍くなっていく──
これは、単なるパワー任せのボクシングではなく、計算された“潰しにいく戦術”だと感じました。
海外ではサウル・“カネロ”・アルバレスがよく用いるスタイルです。
日本人選手ではあまり見られない戦い方ですが、今回の中谷選手は明確にそれを実行していた。
腕を打ち、身体を打ち、ダメージを積み重ねていく。
これは間違いなく中谷選手の新たな強みであり、進化だと感じました。
“右肩の異変”と中谷の勝負勘

西田選手が6ラウンド終了後に棄権を申し出たとき、初めて「右肩を痛めていた」と知りました。
僕自身も観ていましたが、その異変にはまったく気づきませんでした。
ただ、あとから中谷選手が「3ラウンド終了時に肩を気にしていた」と発言しているのを見て、ゾッとするほどの観察力を感じました。
実際に、ラウンド終了後、西田選手が自分のコーナーへ戻る様子を中谷選手がしっかりと見ていた映像もありました。
ああいう異変の兆しを逃さず、そこを狙いに行ける冷静さ──
これは、ただの強さではなく、勝負師としての感覚が磨かれている証拠だと思います。
西田凌佑の強さと誇り

結果はTKO負けとなりましたが、西田選手も本当に素晴らしい戦いをしていたと思います。
3〜4ラウンドでは中谷選手の打ち終わりを鋭く突き、左ボディやストレートもヒットさせていました。
試合中盤にはジャッジ2人が西田選手にポイントをつけており、完全に押されていたわけではなかった。
「できます」と答えられなかった6Rのインターバル──
あの瞬間、右肩のダメージと右目の腫れ、そして精神的な消耗が限界を超えていたのだと思います。
西田選手は、強さと誇りをしっかり示してリングを降りた。
それは僕から見ても“完敗”ではなく、“勇敢な敗北”だったと感じています。
今後の中谷、そして井上尚弥との対戦は?

中谷選手はこの試合を機に、バンタム級を統一してからスーパーバンタム級へ進むのか、あるいは一度返上してすぐに井上尚弥選手との対戦に向かうのか、選択が迫られるフェーズに入ってきました。
個人的には、ルイス・ネリやタパレスといった井上選手が倒してきた相手と中谷選手が対戦し、いわば“井上尚弥戦に向けたテストマッチ”のような流れを経てから本番を迎えてほしいと思っています。
もちろん、井上選手と戦うとなれば今回のような戦い方だけでは通用しないでしょう。
中谷陣営も井上陣営も、それぞれ次の一手を練っているはず。
お互いにとって“最重要試合”になることは間違いありません。
西田凌佑の今後にも期待

一方、西田選手は今後スーパーバンタム級へ階級を上げる可能性が高いと見られています。
減量苦もある中での激闘、そして精神力の強さ──
この敗戦を糧に、2階級制覇を狙う価値ある選手だと思います。
本人がどの道を選ぶかは分かりませんが、僕は今後の西田選手の活躍にも大いに期待しています。
まとめ

今回の試合は、ただの統一戦ではありませんでした。
読み合い・観察、戦略・非情さ──すべてが詰まった、レベルの高い勝負だったと思います。
中谷選手の強さ、そして西田選手の強さ。
どちらも感じられる素晴らしい試合でした。
ボクシングって、本当に奥が深い。
改めてそう感じさせられた一戦でした。
技術は練習を続ければ伸びていきます。
でも、結果が出せるかどうかは“考え方”や“向き合い方”で大きく変わります。
「このままでいいのかな」「もっと成長できるはずなのに」
そんなふうに感じた時は、一度マインドを整える時間を取ってみてください。
僕もこれまで、そういうタイミングを経験した選手たちを何人も見てきました。
必要なのは、迷った時に支えになる考え方と、前を向く力です。
自分をもう一段階引き上げたいと思った時は、こちらもぜひ参考にしてください。
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【この記事を書いた人】
アマチュア実績全国3位(東洋大)
元プロボクサー
世界ランキング最高7位
第43代OPBF東洋太平洋バンタム級王者
ボクシング特化型パーソナルトレーナー
世界・東洋・日本チャンピオン10名輩出
キッズボクサー全国チャンピオン5名輩出
キックボクサー世界チャンピオン指導
分析と戦略を丁寧に行い、完全カスタマイズされた指導法、機能解剖学を活かした根拠ある指導法を基に、勝利に直結する唯一無二のボクシングを提供しています。