
プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥選手が、2025年5月5日(日本時間)にアメリカ・ラスベガスでラモン・カルデナス選手と対戦。
試合は第8ラウンドTKOで井上選手の勝利に終わりましたが、その展開は予想外の連続でした。
ボクシングトレーナーとしての視点から、今回の試合の技術・戦術を振り返ります。
※当ページの画像はボクシングモバイル様から許可を得て引用しております:https://boxmob.jp/sp/
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想定を上回るカルデナスの粘りと一発

試合前は井上選手の早期決着が予想されていましたが、カルデナス選手の実力は想像以上でした。2ラウンドには左フックのカウンターでダウンを奪う場面もあり、井上選手がプロとしてキャリア2度目のダウンを喫しました。
特筆すべきは、カルデナスのブロッキングの堅さと、左フック一発への執念。彼は前半から常にカウンターのタイミングを狙い続け、勝負を諦めない姿勢を最後まで崩しませんでした。
ダウン後の井上尚弥が見せた“修正力”

2Rでの被弾以降、井上選手は明らかに戦術を修正。
被弾の要因は、打った直後にその場に残ったことによる隙でしたが、その後は「打ってすぐにその場を離れる」という基本動作を徹底しました。
この修正により、以後はほぼ一方的な展開となり、井上選手が試合の主導権を完全に掌握。7ラウンドを終えた時点で、カルデナス陣営が試合を止める判断を下す寸前だったことも、展開の偏りを物語っています。
特別な技術はない。それでも“打てない”理由

井上選手のボクシングは、極めてシンプルです。
ジャブ、ワンツー、ステップバック。特別な技術を使っているわけではありません。
しかし、その精度とスピードが常識外れに高い。
打ったらそこにいない。常にリズムを変化させ、的確に位置を外す。
基本技術が圧倒的に洗練されているからこそ、変化を加えたパンチ(角度をつけたフックやボディブロー)もより効果的になります。
対戦相手が“打てなくなる”理由

井上選手と対戦した選手が、途中から“自分から手を出せなくなる”場面は珍しくありません。
その要因は、攻撃を出した瞬間に返される速いカウンターの存在です。
結果として、今回のカルデナスのように「井上選手が打ってきたところにカウンターを合わせる」以外の戦術を取りづらくなる。
能動的に攻められない状況を強いられることで、相手の戦術幅が極端に狭まり、試合の展開そのものがコントロールされていきます。
自分がカルデナス陣営なら?

仮に自分がカルデナス陣営だったとしても、基本的には同じ戦術を取るしかなかったと感じます。
井上選手の機動力、反応速度、リズム感は突出しており、正攻法で追っても当てるのは難しい。むしろ、カウンターをもらうリスクが高くなる。
相手の動き出しを狙って相打ち覚悟のカウンターを合わせに行く戦術は、唯一の現実的な選択肢だったと言えます。
今後の展望──アフマダリエフ戦、そしてニック・ボール戦へ

次戦は、7月に予定されているムロジョン・アフマダリエフ戦。
スーパーバンタム級の中でも特に危険な存在であり、井上選手にとっても油断できない相手です。
さらにその後には、ニック・ボールとの試合も控えています。
この2戦はともにリスクが高く、内容次第ではキャリアに大きな影響を与える可能性があります。
そして、2026年には中谷潤人選手との“日本人頂上決戦”が計画されており、注目度の高い流れが続いています。
前座で光った中野幹士選手にも注目

今回の興行で、もう一人印象に残ったのが帝拳ジムの中野幹士選手です。
堅実なブロッキング、足の使い方、パンチの切れ。全体的に完成度が高く、フェザー級で世界を狙えるレベルにあると感じました。
従来は“堅実なスタイル”の印象が強かった選手ですが、今回の試合では安定感と強さを兼ね備えた存在感を見せており、今後の活躍に期待が持てます。
まとめ:勝因は“基本技術の精度”

井上尚弥選手のボクシングは、一見するとシンプルです。しかし、勝因の本質は「誰でも知っている基本技術を、誰にも真似できない精度でやり続ける力」にあります。
特別なテクニックがなくても、極限まで磨かれた基本動作だけで、世界を支配できる──
その事実を、今回の試合は改めて証明してくれました。
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【この記事を書いた人】
アマチュア実績全国3位(東洋大)
元プロボクサー
世界ランキング最高7位
第43代OPBF東洋太平洋バンタム級王者
ボクシング特化型パーソナルトレーナー
世界・東洋・日本チャンピオン10名輩出
キッズボクサー全国チャンピオン5名輩出
キックボクサー世界チャンピオン指導
分析と戦略を丁寧に行い、完全カスタマイズされた指導法、機能解剖学を活かした根拠ある指導法を基に、勝利に直結する唯一無二のボクシングを提供しています。