
今回の試合は、結果を知ってから見ても、
「なるほどな」と腑に落ちる内容だったと思います。
WBO世界スーパーライト級タイトルマッチ。
王者 テオフィモ・ロペス に、
元WBCライト級王者 シャクール・スティーブンソン が
1階級上げて挑戦した一戦です。
結果は119-109の3者一致判定。
スコアだけ見ても大差ですが、
実際の内容も「ほぼ完封」と言っていい試合でした。
この試合を、
現役で選手を見ているトレーナーの立場から、
技術と構造の部分に絞って整理してみたいと思います。
ほぼフルマーク。シャクール劇場だった12ラウンド

中盤、6〜8ラウンドあたりで一度だけ、
シャクールの手数が少し落ちた場面がありました。
左ボディを少し嫌がったようにも見えましたし、
そこで1ポイントだけ落とした印象です。
ただ、それ以外はほぼ完璧。
判定は大差でしたし、
内容的にも「シャクール劇場」と言っていい試合だったと思います。
テオフィモは“叩きに行けなかった”

事前のイメージとしては、
ライト級でロマチェンコと戦った時のように、
テオフィモがもっと強気に圧をかけていく展開もあるかな、と思っていました。
でも実際は、
その形をほとんど作れなかった。
理由はシンプルで、
シャクールがガードで固まらないからです。
ステップで外したら、すぐジャブを返す。
この「外して即ジャブ」が、とにかく早い。
テオフィモが入ろうとした瞬間に止められる。
ジャブを打てば、すぐ返される。
その的中率が異常に高かった。
後ろの手ではなく“ジャブ”が支配した試合

オーソドックス対サウスポーの試合では、
「後ろの手のストレート勝負」とよく言われます。
ただ今回に関しては、
完全にシャクールのジャブが試合を支配していたと感じました。
入り際をジャブで止める。
一瞬止まったところに、
クリーンではなくても左を当てる。
これで確実にポイントを積み上げていった。
一方で、
テオフィモのジャブはほとんど当たらない。
打てば返される。
結果、
飛び込んで一発狙いになるしかなくなっていました。
空間把握と距離支配が別格だった

今回一番差を感じたのは、
空間把握能力と距離の支配です。
階級を上げたのはシャクールですが、
フレーム的に大きな差があったわけではありません。
身長やリーチは、むしろシャクールの方が有利。
シャクールのジャブは届く。
テオフィモのジャブは届かない。
だからテオフィモ側からすると、
「飛び込んで当てる」しか選択肢がない。
この距離感の差が、
試合全体を完全に決めていました。
シャクールは常に「かもしれない運転」

シャクールのすごさを一言で言うなら、
ずっと“かもしれない運転”をしていることだと思います。
打ったら返ってくるかもしれない。
常にそれを想定している。
だから攻撃しても、
すぐに防御に切り替えられる。
反応がとにかく早い。
これは テレンス・クロフォード や
フロイド・メイウェザーにも共通する部分です。
攻撃に100%振らない。
だから打ち終わりを狙われない。
カウンターももらわない。
本当に、崩すのが難しい選手です。
階級アップでも脅威を感じなかった理由

スーパーライト級で、
テオフィモのパワーは本来なら脅威のはずです。
でも今回、
シャクールが危険を感じているようには見えませんでした。
おそらく、
これくらいのパンチ力の相手とは
これまでもやってきている。
「想定内」の戦いができているんだと思います。
試合後のシャクールの顔が、
ほぼ無傷だったことが、すべてを物語っています。
退屈に見えるのも“強さ”

正直、途中で少し眠くなる展開ではありました。
でも、それはシャクールの強さゆえです。
無理に攻めない。
相手が来なくなる。
結果、激しい打ち合いにならない。
トレーナー目線で言えば、
理想の勝ち方です。
自分の選手が、
もらわずに勝つ。
これ以上はありません。
シャクールが負けるとしたら?

もしシャクールが負けるとしたら、
イサック・クルスのような、
ずっとゴリゴリ前に出続けるタイプ。
近い距離で回転力があって、
12ラウンドそれをやり切れる相手。
しかもサウスポーだったら、
かなり嫌だと思います。
ただ、それでも
「結局なんとかしてしまいそうだ」
と思わせる試合でした。
次に見たいカード

個人的には、
まだスーパーライト級にこだわらなくてもいいと思っています。
ジャーボンテイ・デイビスとの一戦。
ライト級でのビッグマッチ。
アンディ・クルスに勝ったムラタラとのカード。
正直、
そっちの方が見たいという気持ちもあります。
いずれにせよ、
今回の試合で分かったのは一つ。
シャクール・スティーブンソンは、
今のボクシング界でも別格の完成度にいる。
それだけは、間違いないと思います。
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【この記事を書いた人】
アマチュア実績全国3位(東洋大)
元プロボクサー
世界ランキング最高7位
第43代OPBF東洋太平洋バンタム級王者
ボクシング特化型パーソナルトレーナー
世界・東洋・日本チャンピオン10名輩出
キッズボクサー全国チャンピオン5名輩出
キックボクサー世界チャンピオン指導
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