
こんにちは、ボクシングトレーナー椎野大輝です。
今回は、12月17日に両国国技館で行われた
WBA世界バンタム級タイトルマッチ
堤聖也選手 vs ノニト・ドネア選手について、
試合を見た率直な印象を、トレーナー目線でまとめます。
元5階級制覇王者のドネア選手と、現王者・堤聖也選手。
試合はスプリット判定で、
前半はドネア選手、後半は堤選手という、かなり評価の分かれる内容でした。
まず結論から言うと、
予想通りといえば予想通り。
でも、前半は正直めちゃくちゃ怖かったです。
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前半は「あと30秒あったら危なかった」

4ラウンド、5ラウンド。
堤選手、かなり効かされてましたよね。
特に4ラウンドの場面。
あれで「あと30秒あったら、かなり危なかったんじゃないかな」と思いました。
右アッパー、左フック、左アッパー。
ドネアのカウンターはやっぱり怖い。
スイングスピードも速いし、一発一発のインパクトがある。
だから前半は、
堤選手も無理に攻められなかったと思います。
下手に手を出すと、打ち終わりで完全に合わせられる。
かなりリスキーな時間帯でした。
効かされてからの“上がり方”が普通じゃない

ただ、そこからですよね。
堤選手の上がり方が、ちょっと普通じゃない。
一回効かされて、
次のラウンドは無理をせず、
ディフェンスに集中していたと思います。
そこから、徐々に、でも確実に上がっていった。
鼻も折れてると思いますし、
顔面もかなりダメージがあったはずです。
でも、それを一切表に出さない。
嫌な表情も見せないし、
苦しさも出さない。
最後まで戦い抜く。
この精神力というか、生命力は、
正直、並大抵じゃないです。
堤選手って、
「めちゃくちゃスピードが速い」とか
「圧倒的にボクシングが上手い」とか
「一発で倒すパンチ力がある」とか
そういう突出したタイプではない。
でも、
生命力と精神力が突出している。
そこは本当に異常なレベルだと思います。
ドネアは衰えていなかった。ただ“足”は…

前半を見て、
「やっぱドネアだな」と思いました。
パワーは落ちてないです。
一発のパンチ力は、ほとんど衰えていない。
ただ、
フットワークは正直、かなり落ちていました。
昔みたいに足がパパパパ動く感じではなくて、
ドシッと構えて迎え撃つスタイル。
その分、堤選手からすると
距離やタイミングを自分で作りやすかった。
行こうと思えば行けるし、
引こうと思えば引ける。
そういう意味で、
堤選手が主導権を取りにいける試合にはなってました。
流れが変わったのは6〜7ラウンド

流れが変わったのは、
6〜7ラウンドあたりですね。
4ラウンドで効かされて、
5ラウンドを耐えて、
そこからドネアが明らかに落ち始めた。
狙う回数が減ってきた。
打ち返しも少なくなってきた。
これはやってる本人も、感じてたと思います。
そこから堤選手の圧力が一気に強まって、
ドネアがロープに詰まる場面が増えました。
途中、背中を見せるシーンもありましたけど、
あれはもう完全にバテてました。
正直、10ラウンドのインターバル映像を見たとき、
「これ、ギブアップするかもな」と思ったくらいです。
技術を“潰す”タイプの強さ

堤選手は、
相手が落ちてきたときに
一気に追い上げられる強さがあります。
後半は、
技術を一つ一つ潰していくような圧力でした。
ボクシングを長く見ていると、
たまにいるんですよ。
前半ボロボロなのに、後半むちゃくちゃ強い選手。
堤選手は、完全にそっちのタイプ。
生命力で相手を飲み込む選手です。
判定について思うこと

117-111というスコアは、
個人的にはちょっと厳しいかなとは思いました。
感覚的には、
116-112か115-113くらい。
ただ、1ラウンドずつ細かく採点していないので、
「あり得ない」とまでは言いません。
見る人によって評価が分かれる、
そういう試合だったと思います。
こういう試合ほど、
選手はラウンド中に
「このラウンドを取りにいく山場」を
自分から作れるかどうかが大事です。
今後について

ドネア選手に対しては、
正直「お疲れ様でした」と言いたいです。
レジェンドがこれ以上、
落ちていく姿はあまり見たくない。
もちろん決めるのは本人ですが、
個人的にはそう思いました。
堤選手は、
バンタム級でまだまだ面白い相手がたくさんいます。
井岡一翔選手、
井上拓真選手との統一戦。
どれも面白い。
ただ、まずは
しっかり怪我を治して、
ダメージを抜くことが最優先ですね。
まとめ

前半はドネア選手の怖さ。
後半は堤選手の生命力。
どちらもはっきり見えた、
本当にいい試合でした。
ボクシングはやっぱり面白い。
でも同時に、怖い競技だなとも改めて感じます。
素晴らしい試合をありがとうございました。
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【この記事を書いた人】
アマチュア実績全国3位(東洋大)
元プロボクサー
世界ランキング最高7位
第43代OPBF東洋太平洋バンタム級王者
ボクシング特化型パーソナルトレーナー
世界・東洋・日本チャンピオン10名輩出
キッズボクサー全国チャンピオン5名輩出
キックボクサー世界チャンピオン指導
分析と戦略を丁寧に行い、完全カスタマイズされた指導法、機能解剖学を活かした根拠ある指導法を基に、勝利に直結する唯一無二のボクシングを提供しています。
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