
2025年12月17日、両国国技館。
WBO世界フライ級タイトルマッチ、
挑戦者・桑原拓選手と王者アンソニー・オラスクアガ選手の一戦が行われました。
結果は4ラウンドTKO。
試合後、桑原選手は
「1ラウンドでジャブをもらって二重に見えた」
「距離感が分からなくなってパニックになった」
と語り、右眼窩底骨折の疑いも明かしています。
この試合を見て、
正直に一番強く残った印象は――
オラスクアガ選手の攻撃力が、とにかく際立っていたということでした。
今回は、この試合を
現役トレーナーとして振り返ります。
youtube解説はこちら
試合全体の印象|オラスクアガの攻撃力が際立った

まず試合全体を通して感じたのは、
オラスクアガ選手の攻撃力の強さです。
特に印象的だったのがジャブ。
あれは様子見のジャブではありませんでした。
最初から完全に当てにいく、効かせにいくジャブ。
桑原選手も、
カウンターの左ボディを入れたり、
要所要所で良さは出ていたと思います。
ただ、それ以上に、
オラスクアガ選手の圧と攻撃力が上回っていた。
そんな試合だったと思います。
1ラウンドのジャブが流れを変えた

桑原選手は試合後、
1ラウンドでジャブをもらったあと、
視界が二重になり、距離感が分からなくなったと話しています。
あのジャブは、
体ごと踏み込んでゴンゴン打ち込む、
かなり攻撃的なものでした。
桑原選手の強みは、
スピードとフットワーク、
そしてカウンターだと思います。
でも、
目をやられて距離感が分からなくなると、
カウンターは取りにくくなるし、
細かい技術も使いづらくなる。
結果的に、
桑原選手のボクシングをさせなかった。
その大きな要因が、
1ラウンドのジャブだったと思います。
眼窩底骨折を経験した立場から見た怖さ

僕自身、現役時代に眼窩底骨折を経験しています。
視界は二重になるし、
痛みは相当きつい。
殴られるたびに、
脳みそまで響くような感覚になります。
距離感は分からない。
ジャブで測ることもできない。
そうなると、
「来るところを狙うしかない」状態になります。
僕の場合は、
陣営に「多分目が折れました。距離感が分からないので、来るところを狙います」
と伝えて続けましたが、
結果的にはストップされました。
視界が壊れた状態で戦うというのは、
本当に怖いし、
どうしようもなくなってくる瞬間があります。
打ち合うしかなかった理由

桑原選手も、
「いちかばちか強いパンチを打った」
と振り返っていますが、
状況としてはかなり理解できます。
距離感が分からない中で、
オラスクアガ選手が攻撃的に前に出てくる。
そうなれば、
覚悟を決めて打ち合うしかなくなる。
もし目をやられていなければ、
もう少し違う戦い方はできたと思います。
ただ、それ以上に――
今回はオラスクアガ選手が強かった。
そこが一番大きいと感じました。
1ラウンドからかけた“圧力”

正直、1ラウンドからあそこまで行くとは思いませんでした。
世界戦は12ラウンドあります。
だから、最初は様子を見る選手も多い。
でもオラスクアガ選手は、
1ラウンドから完全に飲み込みにいった。
相手に焦りを与えて、
気持ちを持っていく。
そういう意図が見えました。
桑原選手には、
本来なら別の作戦もあったと思います。
ただ、それを出させてもらえなかった。
それも含めて、実力の差だったのかもしれません。
オラスクアガの完成度と自信

今回のオラスクアガ選手は、
とにかく自信がみなぎっていました。
あれだけ攻撃に行けば、
普通はガードが甘くなったり、
リスクも出ます。
でも、致命的なダメージをもらう場面はほとんどなかった。
以前の試合と比べても、
相当自信をつけて、
強くなってきていると感じました。
正直、
「誰がこれを止めるんだろう」
そう思わせる強さでした。
桑原拓という選手について

僕は桑原選手のことを、
大学時代から知っています。
当時から本当に強い選手で、
チャンピオンになると思っていました。
今回、2度目の世界挑戦で敗れました。
30歳という年齢もあり、
いろんな見方が出ると思います。
それでも、
持っているものは超一級品だと思っています。
今回は本当に、
オラスクアガ選手が強かった。
それに尽きる試合でした。
世界を目指す選手へ

世界チャンピオンが目標なら、
最終的にそこにたどり着ければいい。
何回負けても、
諦めたら終わりです。
勝って満足してもダメだし、
負けをどう使うかが大事だと思います。
僕らトレーナーができることは、
正直、限られています。
結局は、
選手本人が「どうなりたいか」。
世界を獲りたいなら、
その執念を持てる生活を送れるか。
そこが一番大事だと思います。
桑原選手は、
まず怪我をしっかり治してから、
今後を考えればいい。
どんな選択でも、
僕は期待している選手です。
そして、
オラスクアガ選手は本当に強かった。
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【この記事を書いた人】
アマチュア実績全国3位(東洋大)
元プロボクサー
世界ランキング最高7位
第43代OPBF東洋太平洋バンタム級王者
ボクシング特化型パーソナルトレーナー
世界・東洋・日本チャンピオン10名輩出
キッズボクサー全国チャンピオン5名輩出
キックボクサー世界チャンピオン指導
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